Heroic Legend -序章の黒-

□第10話 VS チェレン
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「決まっているだろ? …バッジを持つ者同士の実力比べさ」

バトルって事か…。

ボクは向こうで木の実をかじっていたジャルル達を呼ぶと、さっきまでの事を小声で教える。

「…という事」

【なんや、あのメガネと戦うんかい】

【誰だろう、そこのメガネ?】

【メガネだな…】

メガネを連続で言うなよ。
その内何処かの侍マンガのキャラみたいに、メガネだけの存在になっちゃうだろwww

【まぁ、バトルは嫌いやないからな】

「よし、じゃあ決定ね」


今回、ブリッツは見学だ。
まずはボクらの戦い方を見て色々と知って欲しいからね…。

「いいよ、チェレン。バトルだね!」

「君ならそう言うと思ったよ」









「…使用ポケモンは2体、全員戦闘不能にさせたら勝ちね」

「分かった!」

広いスペースに立ちながら、ボクらは向かい合う。

互いにボールを出して、そして―――――…

「いくよ、ガルダッ!」

「頼むぞ、ポカブ!」

ポケモンを繰り出し、バトルが始まった。

相手はポカブか…。
今後のバトルの為にも、しっかり学ばなきゃね。

「ガルダ、空を飛ぶで一気に勝負をつけるんだ!」

【おぅッ!】

ママのウォーグルから受け継いだ技を指示する。
やはり遺伝のおかげか、ガルダは素早く空高く飛んだ。

「空中戦で攻めるか…。ポカブ、ワシボンが近付いてきたら火の粉を浴びせるんだ」

【うん…!】

チェレンには聞こえない声で返事をするポカブ。

ガルダはポカブに近付いたり、距離を取ったりしながら、攻撃のチャンスを見計らっていた。

【オレはあまり防御面が低いからな…。手早く狩らなければ…!】

って、またバトルと狩りを一緒にしちゃってるよ、あの子…。

痺れを切らしたポカブが余所見を始め、その隙を逃さず、ボクは指示を出した。

「今だっ!」

【狩る…ッ!】

急降下で接近して、ポカブに攻撃が当たった。

【うわぁぁっ!】

「ポカブ!」

今の攻撃で体力は半分以上減らせた。

後は次で決めるだけ……!

だけど、そう簡単に勝たせてくれないのがチェレンだ。

眼鏡を指で押し上げて、ポカブに指示を出す。

「…ポカブ、今が使い時だ」

【…!】

なんと、ポカブはあらかじめ持っていたオレンの実を食べたのだ。
おかげで体力が結構回復してしまった。
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