Heroic Legend -序章の黒-

□第10話 VS チェレン
2ページ/6ページ

ブリッツを仲間にして、ボクのパーティーも賑やかになってきた。

「えーと、次のジムはシッポウシティだから…3番道路を南に行けば良いんだな…」

タウンマップを見ながら予定を決めている間に、ジャルル達はその辺で遊んでいた。

先程仲間にしたばかりのブリッツと打ち解け合う為に、ボールから出しておいたのだ。

【ほらブリッツ、木の実いるか?ウチが採ってやろか?】

【うん、オイラ腹減ったよ】

【オレにもくれ、ジャルル】

素直に木の実をねだる二匹に、ジャルルは嬉しそうに胸を張る。

【そっかそっか! …しゃあないなぁ、ウチが採ったるからなっ!
ほな、ついてきぃ】

と、言って歩き出した。

「あんまり遠くに行っちゃダメだよー!」

ボクは三匹に向かって呼び掛けると、すかさずジャルルがツッコミを入れた。

【何処のオカンやねん!】

…ナイスツッコミw




「…フォリア」

突然、後ろから声を掛けられる。
それはよく知る幼馴染みの声だったから、警戒せずに振り向いた。

「やぁ、チェレン。ここにいるって事は、トライバッジ貰った?」

「その通り。フォリアもここにいる事は……」

「当然…ほらっ!」

ボクは誇らしげにバッジを見せた。

「…フォリア、バッジケースは?」

「バッジケース?」

「文字通り、バッジを入れるケースの事」

チェレンは指で眼鏡の位置を直して、怪訝な顔をする。

「もしかして、無いの?」


……はい、その通りです…。


ボクが黙った事で、これを悟ったチェレンは、ハァ…と溜め息を吐く。

「そんな事だろうと思って…ほら」

チェレンがポケットから薄型のケースを取り出す。

そして、それをボクに差し出した。

「ベルから預かってきた」

「え、何でベルが持ってるんだ?」

「さぁ?」と肩を上げるチェレン。
とりあえずケースを受け取った。

白と黒のクールなデザインのケースだ。
蓋を開けて、トライバッジを嵌(は)め込む。

うん、カッコイイ。

満足げにケースをカバンにしまうと、チェレンにお礼を言った。

「ありがとうね、チェレン!」

「いや、僕は君に用があるついでに預かっただけだから…」

「用…? 何か悪い事した?
……あ、技の実験台になりに…」

「だが断る」





……ですよねー。

「…と、ジョークはここまでにして。何か用かい?」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ