Heroic Legend -序章の黒-

□第9話 進化と野良ポカブ
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※フォリア視点





ここは3番道路。


ボクは近くにある保育園で、ひょんなことからチビッ子達と遊ぶ事になってしまっていた。

「フォリアおねーちゃん、ばとるー」

なんとこの保育園、園児もポケモンを持つ事が許されているのだ。

…にしても、この子達はバトルが上手いのなんの……。

新米トレーナーのボクが苦戦するくらいだ。

「フォリアおねーちゃん、あたしのヒヤップつよかったでしょ?」

「うん、とっても強かったよ」

「でも、おねーちゃんのツタージャの方がつよかったねぇっ!」

女の子がジャルルの頭を撫でる。


その時だった―――――…。

【…っ!】

ジャルルが突然震えだした。

初めて見る光景に、ボクはどうしたら良いのか分からない。

ジャルルの体が光に包まれ、そして―――――……。



「ジャルル…?」

光が消えると、そこには見た事がないポケモンの姿があった。

図鑑を開いて検索してみると、データが表示される。

「……ジャノビー、ツタージャの進化系…。進化…これが……」

姿が変わってしまったが、ツタージャの名残が若干残るジャルル。

【……なんや、パワーアップした気がせぇへんわ】

ジャルルは進化したての体を眺めながら言った。

「フォリアおねーちゃんのツタージャ、しんかしたぁーっ!」

女の子は進化を見れてとても嬉しそうだ。

勿論ボクもジャルルが強く成長していくのは嬉しい。

でも、ジャルルは嬉しいかな…?

ポケモンでも進化をするのを嫌がるものもいるって、チェレンから聞いたな…。

人それぞれのように、ポケモンもそれぞれなんだ、別に不思議じゃないんだよね。


「ジャルル、進化して良かった?」

そっと彼女に尋ねると、

【ふふ、当たり前や。前よりシャープな体型になりよったしっ!】

と、満足そうに答えてくれた。
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