Heroic Legend -序章の黒-

□第7話 ポッドとバオップ
3ページ/7ページ

ジャルルはそのまま吹っ飛ばされる。

「ジャルル、蔓を使って戻るんだ!」

言われた通りに、ジャルルはフィールドの岩に蔓を巻き付ける。

「そのまま反動を使って攻撃だ!」

ジャルルは蔓を緩めずにヨーテリーに狙いを定め、あっという間にヨーテリーとの距離を詰めて、頭突きを食らわした。

「キャウッ!?」

流石に痛かっただろう、ヨーテリーは突然の反撃に悲鳴を上げる。

「なっ…!」

ポッド君が息を呑むのと同時に、ヨーテリーは目を回して倒れた。

「…ヨーテリー戦闘不能、ツタージャの勝ち!」

デント君がバッと左手を上げる。

【ど…どうや……。思い知ったか犬公……】

…とは言え、ジャルルもフラフラだ。

ボクはひとまずジャルルをボールに戻した。

「よくやったねジャルル。…少し休んでて」

【そうしとくわ……】

ボールをしまうと、ガルダの入ったボールを出した。

「頼むよ、ガルダ」

【あぁ、任せろ】

「……行くぞ、ガルダ!」

バシュッと音がして、ガルダが勢い良く飛び立つ。

「…やるじゃん、フォリア」

ポッド君がヨーテリーを戻しながら言う。

ポッド君は一体何を出してくるんだろう………?

自称『炎使い』だから、多分…炎タイプだろうけど……。

「こっちも面白くなってきたぜ!
――――行くぜ、バオップ!」

ポッド君の投げたボールからは、赤い体のポケモンが飛び出してきた。

【へぇ、俺様の出番が来るなんて、久々だぜ】

「バオップ…」

ボクは図鑑を見た。

バオップは炎タイプのポケモン。身軽に動き、森の中に住むポケモン…。

やっぱり炎タイプで来たのか…。

出来れば、ジャルルを出さずに倒さなければ……。

【フォリア、ジャルルを出すとマズイ。
……もしもの時の為の策はあるのか?】

…どうやら、ガルダも同じ事を考えていたようだ。

「……ボクはガルダが負けないって信じているよ。
………でも、もしもの時なら――――…」

【――――…あぁ、分かった】

作戦会議が終わるのを親切に待っていてくれたポッド君は、無邪気な笑みを浮かべると、ビシッとボクらを指差す。

「よぉーし! 俺様達と遊ぼうぜ!」

【…焼き鳥にしてやるぜ、ボーヤ】




…何か、バオップがハードボイルド過ぎるような…。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ