Heroic Legend -序章の黒-

□第6話 サンヨウの三つ子達
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「ツタージャか…。良いですよね、草タイプ…あの青々しい体とか…」

「デントさん、草タイプ好きなんですか?」

「勿論だよ。あ、キミ…年が近そうだから、普通に敬語無しとかで良いですよ。あと、デントでもOKです」

いや、どう見ても、あなた年上に見えるんですけど…。

「じゃ、デント君で良いかな?」

「はい。僕は仕事柄、こういう喋り方なので」

そう言うと、デント君はクルッとボクの方を向いて止まった。

「はい、着きましたよ」

案内されたのは、落ち着きのある喫茶店だ。

「いらっしゃいませ。ようこそお出でくださいました」

デント君がおじぎをする。

「え? デント君、ここで働いているの?」

ボクの問いかけに、営業スマイルで答えるデント君。

「はい。僕の他にも…」

すると、店の中から赤い髪の青年と青い髪の青年が出てきた。
二人共、デント君と同じ格好をしている。

「いらっしゃいませ!」

「お帰り、デント。可愛いらしいお客様を連れているね」

「え…あ、あの…」

たじろぐボクをよそに、デント君は二人の青年を紹介する。

「赤い髪の元気印君がポッド。で、青い髪のクールガイがコーンです」

みんな若いな…。

「同い年ですか?」

その質問に三人は、爽やかな笑顔を向ける。


「実は僕ら、三つ子なんですよ」




………デント君の言葉を少し疑った。

え、似てない…。似てなさ過ぎる。

その考えを読むように、コーン君が微笑んだ。

「似てないって、よく言われるけどね。
さぁ、入って。席へ案内しますよ」

…顔に出てたかな……。

「一人ですから、どこでも大丈夫です…」

そして、似てない三つ子に案内されながら、椅子の少ない席へと座った。


コーン君から渡されたメニュー表を見ながら、ジャルル達の入ったボールを出す。

「ポケモンは出して大丈夫かな?」

「勿論です。当店自慢のフーズをお出しいたしますよ」

「うん、ありがとね」

ジャルルとガルダは外へ出られて、嬉しそうに体操を始める。

「ツタージャ、ですか…」

「最初に選んだ子なんだ。ワシボンの方はママから貰ったタマゴから」
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