Heroic Legend -序章の黒-

□第6話 サンヨウの三つ子達
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サンヨウシティ―――…。

「やっと着いたね」

【結構賑やかなんやな】

ジャルルはボールの中から、キョロキョロと辺りを見回す。

【フォリア、腹減った】

え…さっきハイ○ュウ食べたばっかじゃないか。

でも、少し小腹が空いたし、ライブキャスターの時計は3時を過ぎている…。

結局、そこら辺の店で何か食べる事にした。






「…とはいえ、良いお店無いかなぁ……」

【【…】】

お腹が空いているのか、ジャルルとガルダはずっと黙ったままだし…。
これは早くお店を見付けなきゃ。

「あ…あのー、すみませんー…」

ボクはとりあえず、そこの露店で買い物をしていた人に話し掛けてみた。

その人はウェイターのような服装で、緑色の短髪と目の、優しそうな青年だった。

「はい? どうかしましたか?」

買い物袋を四つ、器用に持ちながら青年がボクの方を振り返る。

「あの、喫茶店っぽいのを探しているんですけど…」

「それなら、僕についてきて下さい。味は絶対保証ですから」

「はい、ありがとうございます…」

青年に案内されるままに、ボクは歩きだした。

賑やかな街中を歩きながら、ボクはあちこちに出されてある露店を見る。

露店と言うよりか市場みたいだな…。

果物、野菜、木の実…、とにかく食べ物系が多いから、ここを出る前に買っていこうかな。

「…キミは、トレーナーですか?」

前を歩いていた青年が話し掛けてきた。買い物袋を肩に乗せてバランスをとり、ボクの方へ視線を投げる。

「はい。ジム戦しに来たんですけど、ボクもポケモンもお腹空いちゃって…」

青年はクスリ、と笑いながら話を続ける。

「では、ボクが傍にいたのは、ある意味ラッキーでしたね。
…あ、申し遅れましたが、僕の名前はデント。ポケモンソムリエという仕事をしています」

「ポケモンソムリエ?」

「簡単に言いますと、ポケモンとトレーナーの相性を診るような感じの仕事をしていますね」

へぇ、そんな仕事があるんだ…。

「…ところで、キミが最初に選んだポケモンは何でしたか?」

「えっと、ジャル……、ツタージャです」

危ない、思わず「ジャルル」って言いそうになった…。

「あと、ボクの名前はフォリアです」

名前を言っておくのも忘れてしまったボクだった。
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