Heroic Legend -序章の黒-
□第5話 VS ベル
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「ガルダ、ハイ○ュウ食べる?」
【…食う】
ボクは、生まれたワシボンに『ガルダ』というニックネームを付けた。
強く、勇ましく育つようにという意味だ。
【フォリア、ウチにもハイ○ュウ】
「はい」
ガルダとジャルルにハイ○ュウ(リンゴ)をあげる。
ジャルルはすんなり食べていたが、ガルダは少し食べづらそうにしていた。
「ジャルル、食べさせてあげて」
【せやな、ウチがお姉(おねぇ)やもんな!】
ジャルルは嬉しそうにガルダのハイ○ュウを細かく千切って食べさせている。
仲間が出来て、嬉しいんだな……。
良かった、寂しい思いはしないで。
「…あれ、フォリア?」
不意に名前を呼ばれてドキッとした。
「あ、ゴメン。驚かせちゃったかな…?」
声の方を向くと、ベルが舌をちょっと出しながら笑っていた。
―――――……。
「へぇ、生まれたばっかりなんだぁ…」
ベルにさっきの出来事を話すと、ベルは嬉しそうにガルダの頭を撫でた。
「正直、心配してたんだ…」
ベルがボクを見る。
「どうして?」
ボクは気になって、聞き返した。
「フォリア、このままジャルルだけで旅をするのかなぁって…」
「……やだなぁ、ベル。ボクはそんな縛りプレイ出来る程凄くないよ」
「……縛りプレイ?」
ベルが不思議そうに尋ねるが、説明するの面倒臭いなぁ…。
ボクは急いで話題を逸らす。
「そうだベル、ボクとバトルしない? ガルダも鍛えたいしさ」
「ふぇ? …別に良いよ。私もそれを言いにフォリアを追いかけてきたんだ」
「そっか。…じゃあ、始めよう!」
「使用ポケモンは自分の手持ち全て。先に手持ち全てが戦闘不能になったら負けでいい?」
ボクがルールを説明すると、ベルは「おっけぇ〜っ!」とジャンプしてみせた。
「バトル…開始!」
合図を出すと、ボクはガルダを繰り出した。
「頑張れ、ガルダ!」
対するベルはヨーテリーを繰り出す。
「いっけぇー、あたしのポケモン!」
【キャンッ!】
【……ッ!】
ガルダの目付きが変わった……。
翼を広げて威嚇する。
ヨーテリーも負けじと威嚇しながらガルダに近付いていく。
【フォリア、アレは獲物か…?】
ガルダがこっちを見ながら話し掛けてきた。