Heroic Legend -序章の黒-
□第3話 不思議数学系電波青年
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まぁ、ボクはあまり興味無いからいいや。
「次はショップね」
パソコンの電源を切った博士は、ボクらを入り口近くの店へと案内する。
「旅に必要な道具は、ほとんどここで買えるわ」
「ボールに傷薬にポケモンフーズ……うん、値段もいい感じだし、後で買おっと…」
「これで説明する事は全部したつもりよ。じゃあ、私はそろそろ戻らなきゃ…」
博士がニコリと笑いながら言った。
一応、説明を受けたので、お礼を言う。
「どうもありがとうございました。ボクも旅を頑張ってみます」
「あ、ありがとうございましたぁっ!」
ベルは勢いよく頭を下げたので、帽子が落ちそうになった。
その時――――、
テンテンテレテン♪
回復完了の合図が聞こえてきた。
「ポケモン達の回復、終わったようね」
「ボク、行きますね」
「えぇ、あなた達の旅が、実り多いものである事を祈っているわ」
博士は「バイバイ」と手を振って、センターを出ていった。
「さ、ベル。ポケモン取りに行かなきゃ…」
ボクはベルを促して、受付へ向かった。
「お預かりしたポケモンは、みんな元気になりましたよ!」
「ありがとうございます」
ボクとベルはジョーイさんにお礼を言って、ポケモンを受け取った。
ボクは早速博士から教えてもらったパソコンのボックスに、ミネズミとヨーテリーを預ける。
【ん? 連れて行かへんのか?】
ジャルルが少し寂しそうに尋ねる。
案外気は強くても、寂しがり屋なんだ……。
ジャルルの本音の一部分が見えて、ちょっと嬉しかった。
「うん、最初から三匹を育てるなんて、難しいからね。
始めはジャルルだけで手一杯だよ」
【そっか、フォリアはそんなにウチの事信頼しとるんやなっ!】
……言えない。
ジャルルみたいなキツい性格のポケモンが、いっぱいいると最初から詰みそうになるなんて……。
【…ん? 何か言うたか?】
「え、いや、何でもないです…」
…危ない……思わず独り言になっていたのか………。
気を付けよう、と心に誓ったボクだった。