Heroic Legend -序章の黒-

□第3話 不思議数学系電波青年
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カラクサタウンに着くと、早速ポケモンセンター探しを始めた。

町に着いたらまずポケセン、というのがトレーナーの基本だってチェレンが言ってました。

「ねぇ、あれってアララギ博士?」

ベルがボクの肩を叩いて聞いてくる。

「…本当だ」

ボクらは、建物の前にいるアララギ博士の元へと向かった。



「博士、こんな所にいたんですね」

「ハァーイ、フォリアにベル!
…あら、チェレンは?」

「単独行動してます」

「そうなの? まぁ、良いわ。とにかく入って。
…ここが、ポケモンセンターよ!」

博士に案内され、建物へと入る。

中はトレーナーが数人いて、寛(くつろ)いでいた。
受付には、みんな知ってるジョーイさんがタブンネと仕事をしている。

「何だか落ち着くでしょ?」

「はい」

博士の質問に答えながら、センターの中を見渡す。

食堂(無料)、宿泊所(無料)、フレンドリィショップ……。
様々な施設があるから、まず旅には困らないと思った。

…それで経営難に陥らないのが不思議だよ。

「フォリア、あなたのジャルル疲れてない?」

博士に言われてボールを見ると、ジャルルはウトウトしていた。

「さ、受付のお姉さんに話し掛けて、ポケモンを回復してもらうのよ」

言われた通り、受付のジョーイさんに話し掛けてみる。

「あの、ポケモンの回復をお願いします」

「はい、ではポケモンをお預かりしますね」

「あっ、あたしもお願いします!」

ベルもボールを二つ差し出しながら言った。

「こちらもお預かりしますね」

ジョーイさんは、ベルのポケモンも受け取ると、てきぱきと回復装置へ入れて、スイッチを押した。

「じゃ、その間にパソコンの説明をするね」

博士が受付の脇にあるパソコンをカチャカチャといじりながら言う。

博士のタイピング…早すぎ……。

「ここに、捕まえたポケモンを保管しておくのよ」

次々とボックス画面を開きながら喋り続ける。

ふと、ベルがパソコンの画面を指差しながら尋ねる。

「あれ? この『誰かのパソコン』っていうアクセス先は、何ですか?」

「あー、それは…って面倒臭いから省略ね☆」

……いい加減だなぁ…。

と、内心呆れたボクだった。

「まぁ、旅をしていれば、このボックスの管理者にも会えるわよ」

「分かりました、博士っ!」

いや、そこは分かっちゃいけないと思うよ、ベル………。
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