Heroic Legend -序章の黒-
□第7話 ポッドとバオップ
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「あ、俺達の他にもジムトレーナーがいるから、気を付けなよ」
「分かったよ」
ボクが頷いた時に、デント君とコーン君が仕事を終えて戻ってきた。
「フォリアさん、頑張って下さいね」
デント君がニコッと笑う。
「ありがとう…」
「…では、我々は奥で待っています」
コーン君がクルッとターンをして、お店の奥へ向かう。
それに続いて、後の二人も奥へと行ってしまった。
三人が行った後、ボクは気合いを入れ直す為に、頬をパシンっと叩いてボールを出す。
「…準備は良い?」
そうジャルル達に呼び掛ける。
【バトルなら、いつでもOKや!】
【…オレもだ】
…よし、最初のジム戦だ……気張って行こう!
そう思って、ボクは床のパネルを見た。
前にはカーテンが掛かっている。
あのカーテンに描かれているタイプに強いパネルを選ぶ、という事か……。
カーテンに描かれているタイプは炎。
これはチェレンに教えてもらったばかりだ。
良かった…特訓受けてて。
「炎は水に弱い…っと」
水タイプのパネルを踏んだ。
ピンポーン♪
…インターホンかよ。
カーテンがシャーっと引いていく。
よし、この調子だな…。
そんな感じで、次の水と草タイプのカーテンもクリアして、ジムトレーナーとのバトルも特訓の成果が出て、難なく勝てた。
「おめでとうございます、フォリアさん」
カーテンを突破して先へ進むとバトルステージがあり、そこに三人が立っていた。
「はぁ、良かった。何とか着いたよ…」
「さぁ、ジムリーダーに勝てばバッジを渡す事が出来るので、頑張って下さいね」
「うん…」
ここまで来たら、勝つっきゃないでしょ。
「では、フォリアさんが最初に選んだポケモンは、ツタージャでしたから……」
デント君とコーン君が一歩下がると、ポッド君が前へ出る。
「この俺、炎使いのポッドが相手をするぜ!」
三人と戦うのかと思っていたから一対一はホッとしたけど、こっちの苦手なタイプを使う相手と戦うなんて…。
「因みにこのジムは相性を学んでいただきたく、あえてこういうバトルスタイルになっています」
「うぅ…泣きそう……」
【相性が何や! 気合いでぶつかるんや、気合い!】
ボールの中で、ジャルルが暴れた。