Heroic Legend -序章の黒-
□第5話 VS ベル
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ベルと別れ、ボクは2番道路に来ていた。
ブザー?
勿論、力ずくで止めましたよ。
お陰で紐が無くても作動しませんw
【よっしゃーっ、やったるでぇ!】
ジャルルは既にやる気満々だ。
【全員殺ったる…】
いや、殺る気満々の間違いだった……。
テレテテーテレレ♪
テレテテーテレレ♪
あ、ボクのライブキャスターが鳴ってる。
送信者はママだ。
ピッとスイッチを入れて、腕に装着した二つの画面にボクとママの顔が映る。
「ママ、どうしたの?」
「フォリア、旅は順調?」
「うん、まぁね…」
後ろでは、ジャルルが野生のポケモンを凪ぎ払っているが、とりあえず無視してよう…。
「旅に出られた喜びを噛み締めている所悪いんだけど…。
一つ頼まれてくれない?」
「どうしたの?」
「実はね、ウチのウォーグルが知らないタマゴを持ってきたの」
この展開のオチは軽く読めた。
「まさか、それをボクに預けるとか…?」
「正確よ、フォリア」
やっぱり。
「…分かったよ。2番道路にいるから待ってる」
「ありがとうフォリアっ!じゃ、切るね」
と言って、ママはライブキャスターのスイッチを切った。
―――……。
「ったく、あれから10分も待ってるのに、来ないじゃないか…」
カノコから2番道路まではそう遠くない距離なのに…。
何処で道草食ってるんだろ。
【うりゃりゃりゃりゃぁぁぁッ!】
……ジャルルはずっと野生ポケモンを叩きのめしているし。
ボクは溜め息を吐きながらタウンマップを見る。
サンヨウシティは2番道路を越えるとすぐ…、かぁ……。
チェレンはもうジム戦しているのかな?
ボクがそんな事を考えていると―――――…、
バッサ、バッサ、バッサ、バッサ―――――――………。
力強い羽ばたきが頭上から聞こえてきた。
聞き慣れているこの音…。
「……はぁ、やっと来た」
ボクは上を見る。
ママがニコニコ顔で、ウォーグルに乗っていた。
ウォーグルはそのままゆっくりと地面に降り立つ。
「……遅い」
ボクは苛ついた声を出しながらママを見る。
ママは大事そうに抱えていたタマゴを取り出しながら謝った。
……って、生剥き出しで持ってきた!?
普通ケースっぽいのに入れないの!?
「あはは…。タマゴを入れるケースが見つからなくて…」