Heroic Legend -序章の黒-

□第10話 VS チェレン
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【何?!】

これにはガルダも驚く。

「…道具や木の実は使い方次第でとても役に立つって、教えなかったか? フォリア」

「う…」

しまった…勝ちを急ぐあまり完全に忘れてた…。

こんな初歩的な事を忘れるなんて…まだまだ未熟者ってところか。

今、ボクのカバンには木の実が全く無い。
あるのは少量の傷薬だけだ。いつも小まめにポケセン通いだからなぁ…。

でも、道具が勝敗を決める訳じゃない…。

これで決めてみせる!

「ガルダ、もう一度空を飛ぶだっ!」

【今度こそ…っ!】

その時、チェレンがフッと笑った。
まるでこの攻撃を読んでいたかのような笑い……。

「そう来ると思ったさ。逃がすな、火の粉!」

ポカブの火の粉がガルダに直撃する。

しかし、そこはガルダも意地だ。素早くポカブに体当たりをかまし、二匹共戦闘不能になってしまった。

「ガルダ、大丈夫?」

【…むぅ】

「よくやってくれたよ、ポカブ」

ポカブは少し満足した顔で、ボールに戻っていく。
ボクもガルダをボールに戻し、ジャルルを繰り出した。

「ジャノビー!? …早くも進化したのか……」

チェレンは驚きつつも、二体目を繰り出す。

「行くぞ、チョロネコ!」

【にゃん!】

【進化してからの初バトルや、気張ってこか!】

ジャルルは気合い十分に構える。
最初に動いたのはチョロネコだった。

「引っ掻く!」

【にゃぁっ!】

チョロネコはバネのように跳び跳ねてジャルルに攻撃を当てるが、ジャルルは全然平気そうな顔をしている。

【どないしたんや、子猫ちゃんwww】

…挑発するなよ。

【うっせーよ、クソが(ボソッ】

え、向こうは向こうで言葉が汚い…。

「…グラスミキサーで終わらせようか」

【くらいやぁぁっ!】

殺気立つ二匹に呆れたが、殺気はジャルルの方が勝(まさ)っていたため、チョロネコは戦闘不能になった。

「なっ…バッジの数は一緒なのに……」

……少しチェレンが羨ましく思ったよ、このバトル。

殺気的な意味で。







その後、ボクらは休憩をとって、次のジムについて話していた。

「シッポウシティのジムリーダーって、どんな人なんだろ?」

「シッポウシティは一応芸術的な街だから、芸術家か何かじゃないか?」

その時、数人の足音が聞こえてきた。
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