Heroic Legend -序章の黒-

□第7話 ポッドとバオップ
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※ジャルル視点―――――。



…ガルダがやられてもうた。

その様子は、ボールの中からしっかりと見とった。

【ガルダ…】

ボールの中で、ウチは呟いた。

ガルダ…ウチ頑張るからな。フォリアの最初のジムやし…ウチらも自信をつけなアカン。

ウチが…ウチが頑張らんで、誰が頑張るんや……っ!

ファイトや、ウチ!

【フォリア、何しょげた顔しとるんや! …シャキッとしぃや!】

ウチは悲しげな顔しとるフォリアに渇を入れる。

「ジャルル…」

フォリアはウチが入ったボールを持ち、自分の目の高さと同じくらいに上げた。

【相性がなんや! まだ負けとらん、ウチが頑張るからフォリアも気張り!
…諦めたらアカン】

…うっはぁ…なんて痛いセリフ吐いとるんや………ウチ。

せやけど、さっきまで暗かったフォリアの眼に、光が灯っていくのが見える。

「……ジャルル、お願い。ボクも精一杯バックアップするよ!」

そう言うフォリアの眼には、迷いが消えていた。




………よく見たれよエテ公共…、気張ったガルダの為にも…ウチが必ずKOさせたるからな!






※フォリア視点

「ガルダ、見ててね」

【…勝てよ】

ボクは大きく頷くと、ガルダのボールをしまった。

ジャルルの体力は残り少ない。
一撃で倒さなければ………負ける。

「ここは踏ん張って、ジャルル」

【任しとき】

それを合図のように思い、ボクはボールを投げた。

「…行くぞ、ジャルル!」

ボムッと音がしてジャルルが飛び出す。

やはり、ヨーテリー戦で傷を負っているから、着地の時少しよろめいた。

「…バオップ、一撃でやるぜ」

【レディを長い時間苦しませる訳にはいかないからな】

バオップの余裕の表情にカチンときたのか、ジャルルがビシッと指をさす。

【はん、ウチかて…タダでやられる訳にはいかへんからな!
そないなセリフ、そのままウチのムチで打ち返したる!】

【フッ、威勢のいいお嬢ちゃんだぜ】

そのまま二匹は睨み合う。

最初に動いたのはバオップだった。

「バオップ、引っ掻く!」

一気に距離を詰められる。

「避けて!」

ジャルルも必死で攻撃を避けるが、傷のせいで動きにキレが無い。

「奮い立てるで攻撃を最大限に引き出させるぜ!」

一気に勝負をつけるつもりだ…。
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