Heroic Legend -序章の黒-
□第6話 サンヨウの三つ子達
4ページ/8ページ
「ふむ……。なつき具合から診ると…フォリアさんはとても優しい性格で、素直にポケモンと接している事が分かりますね」
「え? そう見える……のかな?」
いまいち実感が湧かない。
だけど、これがポケモンソムリエの力なんだ…。
素直に感心出来る、と思った。
「えぇ、とても。…では、ご注文が決まりましたら、お呼び下さいね」
そう言いながら、コーン君は仕事に戻って行った。
【フォリア、ウチはこれな】
【オレはこれ】
ジャルルとガルダがいつの間にか、メニュー表をボクから取って見ている。
「…ねぇ、二匹共」
【何や?】
「…ジャルルとガルダは、ボクの事……好き?」
…って、何突拍子も無い事聞いているんだ……ボクは。
【オレはフォリアの爪だ、愚問だな】
ガルダはそっと擦り寄る。ふわふわの羽毛がくすぐったいが、とても温かい…。
【ウ…ウチがフォリアの右腕になるんや! 厨二病の新参モンは大人しくしいや!】
ジャルルもボクにペタリとくっついた。ガルダの羽毛とは違ってひんやりとしていたが、すべすべしていて気持ち良い感触だ。
…良かった、嫌われていなくて。
ホッとしたボクは、改めてメニューを見直した。
【ウチはこれや】
ジャルルが指したのは、カップケーキ風のポケモンフーズ。
意外に美味しそう。
「…ガルダは?」
【これだ】
と、指したのはミートボール風の辛口な味付けのフーズだった。
「OK。…じゃ、ボクはミルクレープにしようかな」
注文が決まったので、ウェイターを呼ぶ。
「ご注文はお決まりですか?」
と、言って来たのは、ポッド君だった。
とりあえずさっき決めたものと、モモンの実のジュースを頼んだ。
「…以上かな」
「ありがとうございます……ともう1つ。フォリアちゃんはジム戦をしに?」
「えぇ、まぁ一応」
すると、ポッド君は「やった…」と呟きながら、小さくガッツポーズをする。
「…?」
「いや、何でも…。あ、ジム戦をするなら、明日の10時にまたここへ来てくれると嬉しいな!」
「…? 何かよく分からないけど……とりあえず、明日の10時だね」
「ありがとうな! じゃ、忘れんなよ!」
ポッド君はそう言い残して、厨房へと消えていった。
……一体何があるんだろう?
それは、明日に行けば分かる事なんだよね…。
気になったが、ひとまずジャルル達とスイーツを楽しむ事にしよう………。