Horror forest

□第2話 〜恐怖の森〜
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…私達はただ歩いていた。


立ち入り禁止区域に入り、妹の五木夢と、その友達の浅井光を探していたら、
いつの間にか木の生い茂る森の中へと迷い込んでしまっていたのだった…。

「ここは…、森の中ですね…」

「しかも随分暗いな…。まだ真昼だったよな?」


拓也さんは辺りを見回しながら言った。

そんな彼を見て、勇希くんは腕を組んだ。

「全く…、なんでオレまで一緒に来てるんだよ!」

「何言ってんのよ、勇希!あんたが勝手について来たんでしょ!」

「うっさいな、黒崎!オレはこんなヘンなところに来ちゃうだなんて思ってなかったからね!
 もうこんなのゴメンだね。オレは帰る!」

「な…!先輩に向かって呼び捨てですって…!?礼儀を知らない4年が偉そうに…!!」

「何だと〜!!」


とたんに、勇希くんと麗奈ちゃんが喧嘩をし始めた。
状況からして、今はそんなことをしている場合ではないので、私は必死に止めに入った。

「2人とも!今はそんなことをしている場合じゃないですよ!
 今は夢とコウちゃんを探さなくちゃ…!」

「雫さん…。そうよね…!」

「ふんっ!そんなもんオレには関係ないことだね!
 おまえたちだけ勝手にここを歩き回ってればいいんだよ!」


…そう言って、勇希くんは来た方向へ戻ろうとしたが、拓也さんが彼に叫んだ。

「1人で帰れる自信はあるのか?」

「な…!」

「まだ君は小学4年だぞ。迷わずに1人で戻れる自信はあるのか?」

「うっ…」

勇希くんはしばらく考え込み、それからこっちを振り返って言った。

「しっ、仕方ないな…!ついてってやるよ!別に怖くなんかないからな!」

「わあ…!勇希くん、ありがとうございます!!」

「ふんっ!雫!オレがついてってやるんだからこーえーに思えよな!!」

「はい!」

「…それを言うなら光栄に思え、よ…。何よこーえーって…。
 意味分かってんのかしら…」


…そうして私達4人は、再び森の奥へと歩きだした…。
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