ハイキューお題

□令状2.
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令状2.モーニングコールは無駄なので叩き起こしてくれる人を傍におく事。




毎日毎日蛍に迷惑をかけるのも悪いから、起こしに来てもらうのを断ったことは数え切れない回数になっている。

その度に友達に何度もモーニングコールをしてもらったけど、起きた例はない。


「山口、一回モーニングコールお願い!」

「俺みょうじに今まで何回もやって惨敗したよね?」

「ぬ…」

蛍と同じくらい付き合いの長い山口にお願いしても、瞬時に断られた。
見てよ!と本日目覚ましを落下させて赤くなった額を見せた。

「みょうじを起こせるのはツッキーだけでしょ。俺は無理だよ」

「だって…蛍は優しくないもん!山口の方が優しいし」


「ツッキーのお陰でみょうじは起きられてるんだから、いいんじゃない?」

「うーん…」

なるべくなら朝は爽やかに起きたい。寝込みを襲撃されたら一日中引きずるよね…。



「…てかさ、二人して何話してんの?」

「け…蛍」

私と山口があからさまにヤバそうな顔をしたから、蛍はさらに怪訝な顔をした。
あ…これはまずい。

「僕に内緒でこそこそしてさ、デートでもすんの?」

「ち、違うよツッキー、みょうじが朝起こして欲しいって言うから」

「コラ山口、早速裏切るな」

「別に内緒にする話じゃないじゃん」


山口と言い合いっぽいものに発展して、目の前の蛍を置き去りにしてしまい、どんどん機嫌が悪くなるのに気付かなかった。

「あのさ…」

「っ…!?」

この声色は良くないやつだ。
山口と私は体が固まって、どうにか目だけを蛍に向けた。

「例え山口に頼んだところで、無駄な努力に終わるの分かってるよね」

「…うん」

「僕が何年も懲りずに朝起こしてあげてるのに、何が不満なの?」

「特にありません」

うわぁ…結構怒ってる。山口なんか一人で逃げてるし。後で覚えてろ


じわじわと壁際に追い詰められて逃げ場がなくなった。

「はい、詰んだ」

今流行りの壁ドンなんて全然キュンとしないよ。この状況と蛍のご機嫌斜め、これは私にとって死亡フラグ以外の何物でもない。

「なまえを起こすのはさ、僕の特権みたいなもんだから、今更誰かに変えるとかやめてよ」

「うん…わかった」

「なまえの寝顔も、寝起きも見ていいのは僕だけ」

そんな風に言われると、顔が熱くなってくる。独占欲みたいなやつかな。

「ごめんね」

「いいよ。でも罰として明日は最初からベッドから落とす」

その悪戯心に火がついた、生き生きした蛍の表情が夢に出てきてうなされるのであった。




20141026

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