ハイキュー!! 長編

□H
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「よーし、練習終わりー!」

「お疲れっしたー!!」

今日も外が暗くなるまで練習が行われ、いつもと同じ時間に大地先輩の号令で練習が終了した。
明日は第二体育館での体育の授業は無いため、片付けもそんなに大変じゃない。本日は岩泉先輩と会う約束の月曜日。
時間は約束していないから、私が部活が終わってから都合をつけてくれると連絡があった。


「なまえ、今日くらい早く出させてもらったら?」

「え?いいよ。急いでないし」

今日の予定と事情を何日か前に教えた縁下が、周りに聞こえないようにしながら言いに来てくれた。


「青城の副主将さんと会うんだろ?」

「そうだけど、大丈夫だよ」

「その割にさっきから時間気にしてるよね?」

「ぬうっ…」

この人物はエスパーか?何でこんなにも鋭いし気がつくのだろうか。

「片付けなら俺がやっとくよ」

「あっ…」

さり気なく手に持っているドリンクが入った籠を取り上げられてしまった。

「ほら、なまえ。今日予定あるんだろ?早く帰んなさいよ」

「そうそう!片付けは残りの奴らに任せて、予定がある人は早くお帰り下さい」


「え?ちょっ、ちょっと何!?」

縁下とすったもんだしていたら、背後から木下と成田に背中を押され、あれよあれよと言う間に体育館の出入り口まで追いやられてしまった。
そんなやりとりを見ていた大地先輩に、「用があるなら帰っていいぞ」と遠くから声をかけられてしまった。

「内容は言ってないけど、木下と成田になまえが大事な用事があるって言っといたんだ。まあ、恐らく察してるだろうけどさ」

田中に言ったら色々聞かれるだろうから3人で仕組んでくれたんだろう。
もう、嬉しすぎるのと申し訳ないので頭が上がらないよ。


「……全員、貸し1でいいっすか?」

「午前練の日、帰りのファミレスで手を打とうじゃないか」

「了解」

こんなやりとりが出来るチームメイトがいて本当に良かった。岩泉先輩に会ったら、烏野に行ったことに後悔はしていないとちゃんと言おう。

更衣室で制服に着替え、備え付けの鏡の前で髪を直した。
ちゃんと会って話すのは実に2年ぶりになる。何を話そうか、どんな顔をしていいのか、逸る気持ちが抑えられない。
あんなに、嫌いになって早く忘れようとしていた自分はどこに行ってしまったのかと問いただしてみたくなる。



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