□女性死神協会の…
2ページ/4ページ

「…というわけなのだ。井上、現世では何が流行っている?」
朽木ルキアは井上織姫と茜色になった道を歩いていた。ルキアは死覇装、織姫は制服を着ている。
ルキアは乱菊と七緒に頼まれてすぐに現世に向かっていった。
そこでこういう話を聞くならやはり女子がいいだろうと下校中の織姫のところに来たのだ。
「流行ってることねえ…」
うーん、と頭を捻って織姫は真剣に考える。
しかしそこまでミーハーなわけではないので、例えば芸能人がどのように稼いでいるかもよく知らなかった。
「やはり写真集が無難だろうか?」
「んー…こっちでもみかけるけどねえ。テレビとかもあるわけじゃないし…」
困ったように眉尻を下げる織姫に、ルキアは悪いことをしたなと思った。
「すまぬ。やはり私たちで考えてみるよ」
「あ!」
突然何か閃いたように大きな声を出す織姫にルキアは少し驚いた。
「歌!曲を出すのはどうかな?」
最近、織姫の好きなお笑い芸人が歌を出していたのを思い出したのだ。
「歌?どうやって売るのだ?流石に音楽発表会をしている時間はないぞ?」
「CDを出すんだよ」
「おお!」
あまり現世のことに強くないルキアであったが、流石に数ヶ月も現世に滞在していただけあってCDの存在は知っていた。
「だが」
尸魂界にはCDもましてCDプレーヤーも存在しない。せっかくだが、これは残念ながらいい案とはいえなかった。
「むこうにはCDは存在しないのだ。存在しないものは売れぬ…」
「そっかあ…」
また振り出しに戻ってしまったと、ルキアは落胆した。しばらく二人は何も言わず黙々と歩いた。
「あ!」
もう一度何かを思いついた織姫が口を開く。
「浦原さんに相談したらどうかな?前の国際映画祭だっけ?のときも協力してくれたんだよね」
ルキアは今度こそ喜びの声をあげた。
映画の機材を貸し出してくれた浦原喜助なら、安くCDやCDプレーヤーなどを作ってくれるだろう。
うまくいけば録音する場所も貸し出してくれるかもしれない。
なんせ女性死神協会には四楓院夜一も関わっている。きっと彼女の頼みなら聞き入れてくれるだろう。
「ありがとう、井上!」
「ううん。頑張ってね、朽木さん」
ルキアは礼を言うとすぐに尸魂界に戻っていった。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ