□女性死神協会の…
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「由々しき事態です」
そう言って伊勢七緒は大きくため息をついた。テーブルを挟んで反対側に座っていた松本乱菊が不思議そうに顔を上げる。
先ほど、丁度仕事が一段落した七緒が昼食を取りにお気に入りの茶屋に出向くと、同じく休憩中だった乱菊が偶然いたので一緒に食事をすることになった。
他愛も無い世間話で盛り上がっていた二人だったが、突然思い出したように七緒が顔を暗くすると、ところで、と話を切り出してきたのだ。
「なによ、あんたどうしたの?」
「女性死神協会の予算がまた足りなくなってきたんですよ」
乱菊は納得したようにああ。と呟いた。
「会長の無駄遣いが相変わらず酷くて」
「また隊長たちの写真集でも出す?一番の売れ線、うちの隊長ならまかせておきなさい!」
「それも悪くないですけど…。流石にひねりがないというか、もう何度も出していますし何か新しくは出来ないかと」
「そうねえ…」
乱菊は腕を組んで考える。
確かに写真集は出せば売れるとはいえ、発売した当初ほど売り上げは伸びずある程度部数は安定してきている。
かといってトレーディングカードなるものは既に失敗しているし、なにか一発話題性が欲しかったが、なかなか新しい案が思いつくわけでもなかった。
しばらく二人で考え込んでいると、
「あ、そうだ!」
突然乱菊が明るい顔でずい、と七緒に顔を近づけた。
「今現世で何が流行ってるか一護や織姫に聞いてみましょうよ!朽木ならすぐに連絡とれると思うし」
「ナイスアイディアです!」
二人は手を取り合ってニヤリと笑った。
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