第4書庫

□Koko
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山雀はワシの膝の上に座ってしばらくしたら眠ってしまった。
起きている時はギャーギャーうるさいが、寝ている時はものすごく静かというギャップに笑えてしまう。
山雀が膝から落ちないように肩からやさしく抱いた。この体格差、まさに熊と雀。少しでも強く抱いてしまったら壊れてしまうと思ってしまう。優しく、優しく。膝に止まった雀が逃げないようにフワフワの頭を撫でる。普段こんな事をやったらきっと蹴られているだろう。


「……おっさん?」
「ん?起こしてしまったか?」
「眠い……」

ワシに向き合うように座り直したと思ったら、今度はワシの胸に顔をうずめ、背中に腕をまわしてすぐ寝てしまった。
さっきは『熊と雀』と言ったが、今度は『親と子』みたいだ。たった1つしか歳は離れていないはずなのに、10以上も離れているような気になってしまう。
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