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不浄の関係 ※レン×那月


一晩抱き通した真人をひとり残し、レンは部屋を後にした。しばらくは起きないだろう。

朝方4時。“もうひとつの楽しみ”として、とっておきの場所を、レンは確保している。
誰も近寄ることのない、旧録音室。
鍵盤が外れかかったピアノや、弦が切れたヴァイオリン。ホコリをかぶったサックス。
学園長や日向の目を盗んで、持ち出した合鍵。
どうせ利用されない空部屋なのだから、鍵の確認など誰もしないだろう。

数分、その前で立ち尽くしていると、その髪色ゆえに、闇のなかだとかえって目立つ人物が現れる。
四ノ宮那月だ。


「はーいシノミー、待ってたよ」
「ふふっ元気ですね、レンくんは。先ほどまで真人くんと愛し合ってたばかりなのでしょう」
「愛し合うって、そんな生易しいもんでもないけどね」


こいつ、人畜無害そうな笑顔を浮かべておいて…と内心皺をよせた。
四ノ宮那月と生活を共にする翔は、気苦労が耐えないだろう。
人のことは言えないか。


「他人事じゃすまないよ。シノミーには、今からひいひい言ってもらうんだから」


那月と身体を重ねるのは、もう何度目だろうか。
指折り数えることもせず、漠然と思い返しながら録音室を解放する。

掃除をしていなくても、部屋というものは誰かが使っていると、それなりに明るさを取り戻すらしい。
入ると、那月が空を舞っているホコリに咳をする。
レンは手でそれを払いながら、さりげなく鍵をかけた。



「さあ脱いで。苛めてあげる」



そう壁に押しやると、那月は少し俯いて、ゆっくりと肌を露出していく。



「昨夜おチビちゃんとは、何をしていたの?」



顔立ちや肌の白さは真人のものとは違う繊細さがある。
その形のいい唇を、上品に吸って舐めてやる。


「ん…いつものように、抱き合いごっこ、してました…」
「抱き合うだけ?」
「ええ…」
「服も脱がさず、ぶちこまずに?」
「…ええ」
「はは、懲りないね。おチビちゃんのアソコを奪った感想を、早くシノミーの口から聞きたいんだけどな」


意地悪のつもりだ。那月にそれができない理由を知っている。
全裸になった那月を、床の上に倒し、四つん這いにさせる。


「焚きつけないで…翔ちゃんにそんなことしたら、どうなるか…」
「いいんじゃない?おチビちゃんだって、きっとそれを望んでる。シノミーを想いながら、隠れて指を使ってるかもしれないよ。こんなふうに」


そう、きめ細やかな肉の狭間に、中指を潜りこませる。


「あ……あ…っ」
「おチビちゃんだって人間だよ?お人形さんじゃない。きっとシノミーにこんなふうにされたら、
啼いて悦ぶに決まってる。ほら、解れてきた。こうして開発してくんだよ?」
「ああっ、ダメです…っ」


裏の洞を攪拌されて、滑らかな曲線が波打った。


「僕は…あなたとちがって、加減の効かない人間ですから…」


天才と気違いは紙一重、とはこのことだ。
四ノ宮那月の場合、普通の人間よりも極端だから、本能に身を委ねる場を間違えると、取り返しのつかないことになる。


「そういえば、シノミーは昔、何人もの仲間を病院送りにしたことがあるんだっけ?怖い怖い…」


わざと傷を抉るようなことを囁く。


「ええ…僕が本気になったら、翔ちゃんを壊しかねません…」
「シノミーは優しいね。壊しちゃえばいいじゃない。それも愛の形だろう。むしろ、本能を抑えるために、
俺とこんなことをしているほうが、おチビちゃん、悲しむんじゃないかな。立派な裏切りじゃない」


哀れみを込めた口調で言ってやるも、レンには罪悪感などこれっぽっちもない。
この状況を楽しんでいる。


「あなたの言うとおりかも、しれませんね…僕は弱いので、ごめんなさい、翔ちゃん」
「じゃあいっぱい啼かなきゃ。たくさん辱めてあげるから、それで懺悔しなよ。翔ちゃん、ごめんなさい。
僕はほかの男で発散しないと、君を殺しかねないくらいの変態なんです、ってさ」

那月の体内熱で発汗した指を引き抜くと、ひくついた美門の薄皮を軽く撫でる。


「こんなにココを震わせて…欲しくてたまらないんだろう?」
「あなたが…指なんか挿れるから」
「指だけで満足する?」
「……いいえ、あなたのを、ください」


首だけ僅かに傾け、妖しい目の色をさせてレンに懇願する。
しかしレンは、相変わらず爪先で入口を挑発しているだけだ。
意地悪だ、と那月が喘ぎまじりに苦笑を漏らす。


「もう少し楽しませてよ。時間はあるんだし、もっと隅々まで味わってから…」


那月の身体を仰向けにさせる。手首を掴んで頭上で組ませ、



「大人しくしてろよ?那月」



縛ることはせずに、レンの手はそのまま那月の腕の裏を撫でていき、首筋と鎖骨を辿る。
そのあとは唇と舌で、淫靡な輪郭を描いていく。


「はあ…ぁ…ン…ンン…」
「いい声」


歌でもセっクスでも、那月の声は美しく響いた。聖川の清廉な美しさとは類が違うが。
執拗なまでに胸や、腹部、足の付け根、足先まで舐めて、那月の全身を性感帯に変えてやる。
そして。


「あー…ココを忘れてたよ」


那月の両足を持ち上げ、その狭間の顔を拝んだ。


「あ…そんな、とこ…っ」
「好きでしょ?ココ」


レンは唇で那月の不浄の菊を吸い出した。


「ん…あぁぁッ」
「ん、いいだろ…?俺は那月の下の唇も、上の口より素直で好きだな…」


尖りを持った舌が壺の周囲を一頻り舐めると、中へと侵入し、しだいに深度をふかめていく。
那月の声はレンの舌に乱されて、悦の悲鳴をやめない。


「ああ、すごい。おいしいよ」
「っあぁ!…あんっ」


ずるずる音を立てて吸引すると、那月は甲高い声をあげて身悶える。


「いやっ、気持ちイイッ」


羞恥心とは無縁の精神世界に、那月は今、身を置いているようだ。
レンの愛撫にうっとりとして、白い肌を痙攣させている。
こうなれば那月は単なる、レンの忠実な性獣だ。


「そんな反応されたら、んーまいったね…我慢出来ねえよ。くわえてくれ」


那月の狭間から舌を引き抜くと、レンは自らズボンをおろして、那月の顔の前でかがむ。
野太い淫肉でしばらく那月の頬を叩き、先走りで汚してやると、那月のほうから口をあけてしゃぶりついてきた。


「ああ…イイよ。お前イイよ、那月」


手は使わずに、口だけの奉仕。
根元まで何度も咥え、耳を塞ぎたくなるほどの嫌らしさを帯びた音を響かせてくる。
那月の性への貪欲さが伺え、レンは目眩さえ覚えた。


「ねえ、那月。君さえよければ、提案があるんだけど…」
「提案…?」


那月が訝しげにレンを見上げる。


「今度、3人で楽しまない?2人でも十分愉しいんだけど、君がいたらもっと興奮度増しそうだし」
「それは真人くんを入れて…ですか?」
「そう。あくまで提案だけどさ。那月はおチビちゃんにゾッコンみたいだし、無理にとは言わないよ。ただ、
真人を二人がかりで苛めてみたいとも思ってね。あ、おチビちゃんも入れて4人でもいいよ」
「翔ちゃんはダメですよお」


頬を膨らます。那月の翔へのそれは純愛なんだか不純なのか、わかりゃしない。


「本命は大切にしたいのね、シノミーは。はいはい、わかったわかった。
でも3人でするのはオッケーでいいのかな?」
「ええ…一度くらいなら、かまいませんよ。ただ真人くんに恨まれるのだけは、ごめんですけど」
「そのへんは大丈夫。あいつ、シノミーが思ってるよりずっと快楽に弱いんだから。
ふたりで苛めたら、すっごい声で鳴くよ?」


那月の耳元にそう吹き込むと、密かに息を呑んだのがわかった。



「興奮するだろ?ほら…そろそろ、俺もぶちこんでやろうって気になってきたよ。どうだ、那月。
言ってみろよ、俺をほしいって」



相手の脳髄まで響かせるように、囁いてやる。
那月は目を細め、レンを艶やかに睨みつけたあと、



「だったらぶちこんでくださいよ、レンくんのを。僕のナカにずぶっと」



静かに言い放つ。
那月の強気な姿勢にかえって征服欲に駆られ、レンは衝動にまかせて、怒張したそれを深々と突き埋めた。



「ああ、イイ。イイです、すごく…もっと揺さぶって、お願い…僕の中に、たくさん、あ、あなたの…ください」



悩ましい声と寄声とがレンの性感を揺さぶり、頭を痺れさせたレンが、那月を追い詰め、那月に搾り取られて、息み呻いて、
一瞬、意識がひっくり返るような感覚に見舞われると、ふたりして性の証を互いの体にちりばめていった。
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