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□昔話
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あいつがきたのは俺が4歳のころ
俺よりも小さくてよく女と間違われるそいつは4つ年上だった
昔は俺の方が小さかった
「初めまして。ニック-スフィルアンと申します。こちらで使用人としてはたらくことになりました。よろしくお願いします」
今ではパッと明るく笑うようになったが、昔は悲しそうな顔をしていた。笑うこともなかった。
「女の子?」
「ちっ、違います!男です!」
「男の子?俺、アデル。よろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
この時は、俺に妹はまだいなかった。
妹ができるのはそれから7年後の話だ
ある日、俺は初めてスキャッグスと言うものを見た。
始めてみたそれは小さい頃の俺にはおもちゃにしか見えなかった
「なに?これ…」
「アデルさん、何してるんですか!!」
「ニック?おもちゃ拾ったよ」
「それはおもちゃじゃありません。それを私に渡してください。捨てます」
「やだよ!俺、これで遊ぶんだ!」
「それはっ!それは人を殺すものなんです!その銃は、スキャッグスは、自分もその他の人の人生もめちゃくちゃにするんです!!そんなものを、あなたに持ってほしくないっ…!!」
子供のわりに、ニックはそれのことをわかっていた。
言っていることの内容はわからなかったが、迫力に負けてスキャッグスを渡した
俯いて受け取ったニックはこの時泣いていたんだろう
ニックが泣いていたと言うことと、その理由を知ったのは、反乱のあの日だった
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