How are you?

□委員会の段
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「雷蔵いるか?」
「ん?、三郎と名前じゃないか。どうかしたの?」
「手伝いにきた」

「ありがとう、助かるよ」



あの後、「兵ちゃんを探してくる」と言って、ハチを連れて勘ちゃんは食堂を出て行ってしまった
なので残った鉢屋と2人で図書室に行くことになった
「・・・」
『・・・』
特に会話もなく歩き現在図書室に着いたところだった
思った以上に鉢屋との2人きりは気まずかった
昔からこうだったかなぁ…



「名前?」
『えっ、ごめん、何不破くん!?』
「ぼーっとしてたから、大丈夫かなと思って」
「こいつがぼーっとしてることなんて日常茶飯事だろ」
『鉢屋ぁ〜…大丈夫!それよりなに手伝えばいいかな!?』



なにを手伝えばいいか、と聞くと不破くんは腕を組み、う〜んと悩みだした
そんな不破くんに慌てていると、鉢屋が「本の返却するぞ?」と言って数冊持つと返し始めた
それを見た私も急いで数冊の本を持って返却場所を探した



『えっと、この本は、』



本を返却する作業を始めてから数刻がすぎ、作業も残りわずかとなっていた



『(う〜わ〜、届かないよ)』



私の抱えていた本が残り1冊となったときだ
本の返却場所はわかったのだが自分より高い位置にあったため返せないでいた
背伸びをしても届かなかったので不破くんに頼むことにした



「ちっちゃいと大変だな」



突如後ろから嫌味ったらしく吐かれた言葉に顔がひくひくひきつった



「こんなとこにも届かないのか」



そう言って鼻で笑った後、私が持っていた本を奪うと本棚に返した

あれ、もしかして返してくれた?
まさかね、私へのあてつけだよね。



「ちっちゃいと大変だな」
『2回も言うなぁあ!!』
「2人共、図書室では静かに!」
『う、はい』
「騒いだのはこいつだけだ」



はいはい、とだけ言って不破くんは仕事に戻ってしまった
あの鉢屋をはいはい、なんてながせるのは不破くんだけだと思う
いつも感心しちゃうよ…



「雷蔵か、借りたい本があるのだが…」



んん!?本を借りに来た人がいるみたいだ、不破くんに話しかける声が聞こえた
でもこの声、、、



「どんな本ですか?立花先輩
『・・・』
「どこに逃げるつもりだ?名前
『わっ!』


がしりと肩を掴まれてしまい、逃げるにも逃げれない状況になってしまった

いつの間に後ろにいたんですかぁああ!?


『に、逃げてませんて、部屋に帰ろうとしただけです!』
「ほう、逃げるとなにが違うんだ?」
『ん〜、言い方?』
「…こ、のバカがぁぁあああ!!」
『ご、ごめんなさぁぁああい』



「邪魔したな」
「い、いえ」
『しくしくしく』
「うるさい」
『酷いじゃないですかぁ!別に縄でぐるぐる巻きにしなくても!』
「本は後で借りにくる」
『無視!?』



立花先輩は話終えたのか、私を引きずりながら図書室から出てしまった
不破くんは笑顔で手まで振ってお見送りしてくれた…
今回は全然嬉しくないけど!
助けて欲しかったけど!
やっぱり不破くんの笑顔は神ってますけど!
じゃなくて!もう、鉢屋はどこいったのさぁあ!!
 

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