How are you?

□日常2の段
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「はい、ここまで」
「「「「『ありがとうございました』」」」」



午前の授業の終わりを知らせる鐘が鳴り、あいさつをし終えるとみんな好き勝手にし始める
集まって話をしだす者もいれば食堂に向かう者もいる
私はと言うと、一人ぼっち・・・
はっ!今効果音に”チーン”って聞こえた、”チーン”って聞こえたよ!
・・・悲しくなった私は食堂に向かうことにした
友達がいないわけじゃないんだよ、たまたまなだけだから、あれ誰に言ってんだろ私


食堂に入るといつものメンバーが集まっていた
どことなくどんよりとした空気が漂っているのは気のせいだろうか?



『お疲れー』
「ん、あぁ名前か」
『どしたの?』


手っ取り早くハチの隣の席が空いていたのでそこに座ってハチに話しかける
しかし、私の顔を見るなり「ちょっとな」とだけ言ってつっぷしてしまった



『ちょっとじゃわかんないよ』
「女に男の気持ちがわかってたまるものか」
『えー、何それ鉢屋』
「名前が気にすることないよ…」
『わっ、兵ちゃん。兵ちゃんも暗いね』



ハチの隣に座っていた兵ちゃんまで暗いとは、一体どうしたんだろうか
ちなみに兵ちゃんの前は鉢屋、ハチの前は勘ちゃんだ
不破くんがいないのはなぜ!?そっちも気になる…



「別に気にするじょとじゃないと思うんだけどね俺は」
『じゃあ勘ちゃん、状況説明お願い』
「うん、俺達はさっきまで女装の実習だったんだ」
『ほうほう女装』
「それで、2人はモテまくりましたとさ」
『え、そんだけ?』
「そんだけ、ちなみに俺もモテモテだったよ」



そう最後に付け加えて可愛くウインクなんてしてくるから一瞬ドキッとしちゃったじゃんか
私は勘ちゃんの話から2人の女装姿を想像してみた、確かに可愛いかも



『兵ちゃんとか特に女装似あいそうだもんね!』
「えっ…」
『まつ毛長いし、肌きれいだし、今でも十分女の子っぽいもんね!」
「なっ、う、う、うわあああ」
『へ、兵ちゃん!?』



泣きながら食堂を立ち去ってしまった兵ちゃんに驚き、数回瞬きを繰り返してしまった



「とどめをさすなよな」
『え、私言っちゃいけないこと言っちゃったかな』
「言っただろ、今さっき」
『え、何を?』
「・・・一生かかってもわかんないだろうなお前には」
『え、何さ気になるじゃん鉢屋』



はぁとため息をつかれてその話は強制終了されてしまった
勘ちゃんに聞こうとそっちを見ると兵ちゃんが出て行った方に「兵助可哀そうに」と苦笑いで言っていた



『そう言えば不破くんは!?』


話を変えようと不破くんの話題を切り出す


「図書委員の仕事」



意外にも答えてくれたのは鉢屋だった
委員会か、そう言えばこの頃行ってないなぁ作法委員
前にサボって以来行ってなかったのを思い出してしまった
立花先輩怒ってるかな、怒ってるだろうなぁ
自分の脳内にでてきた立花先輩にぶるりと肩を震わせた
「どうしたの?」と心配そうに聞いてきた勘ちゃんに『なんでもない』とだけ返した



『不破くん、手伝いに行こうか?』



私の発言にパチパチと目を瞬かせた鉢屋は「たまにはお前もいいこと言うな」と言って席を立った
 

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