その後の彼等
□四月馬鹿
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『メフィ君!エンジェルが”至急ヴァチカンに来い”って言ってたよ!』
「嘘ですね☆」
『む・・・これくらいでは引っかかってはくれないか。』
「・・・やっぱり嘘だったか・・・・」
『みぎゃ?!ハッタリだと?!』
「悪魔相手に何を言ってるんです?」
朝、朝食後は失敗。
我ながら害がなさ過ぎて且つショボ過ぎる嘘だった。
『シュラちゃん!今日、雪男君休みなんだってさ!』
「・・・知ってる。」
『嘘?!』
「うん、嘘。」
『・・・また騙せなかった。』
「ま、頑張れ!瑠璃。」
昼、練習がてらシュラちゃんに挑んだが、敗北。
『燐君、俺、ちょっと具合が悪いんだ。医務室まで運んでくれる?』
「ん?いいぞ!」
『・・・・・』
同じく昼、ようやく一人騙せたものの、罪悪感がハンパない。
ん?何でそんなに騙したいのかって?
それはね・・・
「瑠璃。賭けをしませんか?」
『ヤだよ。』
「まあ、そう言わずに・・・今日一日で騙せた人の数を二人で競いましょう☆」
『・・・勝った方が負けたほうに何か一つ好きなことを命令できる、とかか?』
「いいえ?正確には次の日一日相手を好きにして良い、です☆」
『・・・絶対負けられないな。』
ということがあったのだ。
最近忙しいメフィストは絶対に俺で遊ぶことで日ごろの疲れを癒す気だ。
ちらりと見えたピンクの首輪が何よりの証拠。
犬扱いは止めて欲しいんだが・・・
・・・結局大して騙せなかった。
普段からテキトーなことばかり言っていた報いが来たのかも知れんな。
最早、メフィストを騙すことで逆転するしかあるまい。
幸い、策はある。
「どうです?騙せましたか?」
『・・・や、全く。』
「では・・・『ところでさ、メフィ君。』・・・何です?」
『俺はもう既に君のことが好きなんだけど、この場合はどうしたら良い?』
「は?」
『愛してるよ、サマエル。』
「あ!えーっと・・・私もですよ?」
『・・・これで、引き分けだね♪』
つまり、約束の文言を「一日相手を”(自分のことを)好きに”させて良い」、という内容と捉えてみたのだ。
もちろんこれ自体が嘘だが、エイプリルフールに面と向かって”愛してる”と言われてたじろがない者はいまい。
さらに、お互いに”本当”しか言ってないので引き分けだ。
「多少強引過ぎはしませんか?ソレ。」
『一日と言わず、一生を君に捧げるよ。サマエル。』
「・・・本当ですね?」
『ホントホント♪』
「・・・ここぞとばかりに本音を言っているのはかまいませんが、嘘で無い以上普段と大差ないのでは?」
『エイプリルフールに本当のことを言ってはいけないって誰が言ったの?』
「・・・・・」
あとがき
幸せな嘘を!
おまけがあるよ、ホントだよ。