その後の彼等

□掃除をしよう!
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「瑠璃ー!そろそろ起きてください!もう11時ですよー!」

『うぇ〜い・・・』

スボッ

部屋にはちらほらとコールタールが舞い、なにやら白いものが降り積もっている布団から俺は目覚めた。

『・・・流石に掃除しなきゃな・・・』

宛ら小さな腐海のようだ。

ただし、ここには王蟲もナウシカもいないが。

ところで、何故、メフィストが俺を起こしにきたのかというと、それはベリアルさんが来ても俺の結界に部屋から押し出されるからだ。

そのため、彼と起き抜けに会うたびに困った顔をされる。

「名案ですね☆私に掃除を教えたのが貴女だなんて、今では想像もつきませんが☆」

『非道いなー。事実だけど。』

着替えを漁り、お風呂に入ってから、昼食をとった。

考えてみれば、部屋を掃除する時間くらい、腐るほどあったのだ。まあ、腐ったのは部屋のほうだったが。

『率直に言おう、手伝ってくれ。』

「嫌ですよ☆」

『汚いものアレルギーなのは知ってるけどさ、窓全開にすれば何とかなるよ!』

「・・・・・ダメです☆」

『ケーニヒスバーガー・クロプセ、作るって言っても?』

「良いでしょう!さぁ、ちゃっちゃとやりますよ!」

『即決?!』

ドイツ料理の肉団子で手を打つなんて・・・そっか、俺の料理、気に入ってくれてたのね・・・。これは気合い入れて作らないと申し訳ないな。




先ず、大事なものを除けることからはじめなくてはならない。

布団は洗うとして、本は・・・箱詰めにしてあとで拭いて戻す、と。どうせだし、机や本棚も・・・

「ちょっとまて。それ、あとで全部戻すんですよね?!」

『戻すよ〜。』

片手に本棚、もう片手に机を抱え、横歩きで出口へ向かう。

え?嘘だろって?

嘘じゃないよ。俺は狼の子だもの。強い子よい子だよ!

・・・最後のは嘘だけど。

「性格の欄に”悪い”と書いたのは私の知る限り貴女だけですよ☆」

魔法で棚をフヨフヨ浮かせて運ぶメフィスト。

傍から見ると、リアルポルターガイストだな。

『じゃあ、部屋掃除するのと廊下に出したもの拭くの、どっちがいい?』

「どちらも嫌です☆」

『ヤなんかい?!』

「但し、ジョジョを既刊まで音読してくれるというなら、それで手を打ちましょう☆」

『声帯模写はそういうことに使うものではないんだが・・・』

しかも、よりにもよってジョジョかよ!軽く100巻くらい無かったっけ?売り瓜が瓜売り売りて・・・な、あのジョジョだよ!絶対舌噛むわ!

・・・ん?なんだか掃除が進行するごとに頼まれごとが増えているような気がする。どうしたものか。



『なんだか、懐かしいな、メフィ君。君が来たときも掃除を頼んだっけ。』

・・・まさかとは思うけど、その仕返しとかじゃないよね?

「そうですねぇ・・・家中の掃除をさせられましたね☆」

『・・・やっぱり、怒ってる?』

「何を、ですか?」

『・・・聞かないことにしよ。』

「賢明な判断だ。」



なにやら、そわそわと落ち着きが無いと思ったら、そんなことを気にしていたんですか?

お馬鹿さんですね、瑠璃は。私がそんなことで、いちいち怒るわけが無いのに。

まあ、その勘違いと日ごろの後ろめたさのお陰で久々にあなたの手料理が食べられるのですし、まあいいとしましょうか。

本当に、貴女はいつも変わらず愛らしい。





あとがき

今更ですが、この二人だとあまり言葉にして愛を語ったりとかしない気がしてきました。

おまけつきです。
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