しあわせってなんだっけ?

□ご利用は計画的に。
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「よお!るーちゃん、ひさしぶり!」

『そのあだ名やめろ、のぎちゃん。』

「だが断る!それより、あの悪魔と契約したんだって?子狐が言ってたよ、我らが姫様が悪魔に隷属したって。」

『隷属ってほどじゃない。唯俺の血肉を捧げる換りに庇護を乞うだけの話。』

「献身的だねえ、君の血肉は魔物には毒にも薬にもなる。血に酔って喰らい尽くされないように気をつけなよ?」

『・・・そうならないための契約だ。』

瑠璃は言い捨てて去っていった。

「ふう、心配のかかる子じゃなー。」

「おや、芒さん。お久しぶりですね☆」

「お前さんも大概白々しいな。今の話、聞いておったんじゃろう?」

「クク、瑠璃にそう言われました☆」

「はんっ。んなこたどうでもいい。お前、よくもわしの瑠璃を傷物にしてくれたな。」

「言っておきますが、彼女から契約を持ちかけてきたんですよ?」

「そうだろうとも。契約自体が問題なんじゃねェ。傷をつけた責任取れないんなら、あの子が自ら手を汚すことはない。わしがお前を切り刻んでやる。」

メフィストはその芒の言葉に、一瞬唖然としてしまった。

「・・・貴女、よく過保護だって言われません?」

「瑠璃限定でじゃがな。狐は情が深いからな♪」

かかか、と笑いながらメフィストに背を向け消える芒。

姿が消える寸前、芒は”お前さんだって、あいつが寂しがりなことくらい知っておるんじゃろう?”と呟いた。

こいつらはそろいもそろって言いたいことだけ言って逃げていくな、とメフィストはなんとなく思ったのだった。

そう、瑠璃は一人では生きてはいけないタイプだった。あのころはなんでも自分でやっているという顔をしていた。だが、一方でどんなときでも人里に紛れて暮らし、常に使い魔を一匹は連れていた。メフィストがもし彼女を何もないところに閉じ込めてしまったら、すぐに彼女の精神は壊れてしまうだろう。そして、彼女は壊れたまま、生き続けねばならなくなる。

メフィストはそんなこと、する気もないのだけれど。



あとがき

はい、過保護者パート2、芒ちゃんの再登場です。彼女は基本、客観的な状況説明が必要な際にのみ、喚び出されます。常に夢主と対話してくれるので、話がわかりやすくなっている、はず。逆に余計わかりにくくなっていたら申し訳ない。

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