コラボ!
□お兄様と呼ばせてください!
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キィ、と玄関のドアが開いた。
『おかえり、メフィsあれ、なんか違う?!どちら様ですか?!』
「私はオルク・フェレス。メフィストの兄です★」
『わ、私は瑠璃です。メフィスト氏にはお世話になっております。』
メフィストの兄だというオルクさんはメフィストのピエロ然とした格好をそのまま黒くした服装をしていた。ただ、服装以上に彼の底知れぬ魔力のほうが断然存在感を放っている。隠していても俺のような半端者には勝ち目のない強者のにおいがするのだ。
「そう萎縮なさらないでください★
何もとって喰ったりしませんよ。貴女は弟の恩人なんですから★」
『そ、そうですね・・・しかし、お強いんでしょうね、オルクさんは。なんだか憧れちゃいます。』
「そうですか?メフィストから貴女がアスタロトとアマイモンに勝利したとききましたが★」
『(アイツめ、言わんでいい事を!)や、あれは不意打ちですし。私は元土地神なので、自分の領域でのみ言霊を強めたり出来るんですよ。』
「ほぅ★」
『かなり限定的な力ですし、アスタロトの時は私も若かったので。畑をだめにされそうになったくらいでキレちゃうなんて、流石にやりすぎですよね。』
「おや、それは愚弟の方が失礼です★ハーブか何か作っていらしたんですか?」
『ええ。あと、人間は知らないような薬草もありましたね。あのころは規制も緩かったですし。そうだ、紅茶をお出ししますね。』
「おや、お構いなく★」
本来ならお茶を出すのは当然なのだが、この高貴な方にこちらから出すのは気が引ける。(当のメフィストもそれなりの地位なのだろうが、もう慣れた)しかし、ここはメフィストの屋敷なのでメフィストに効くような毒物は置いてない。ここは礼を重んずるべきだとハーブの話をしつつ考えていた。紅茶は俺の特性ブレンドで、妖や悪魔の間でも嗜好品として知名度のあるものを使っているので大丈夫だろう。お茶請けにハーブのクッキーをつけた。
『どうぞ。』
「頂きます★」
『・・・』
内心まだ緊張しつつ、自分の紅茶を飲む。こういった場合自分から飲むのがセオリーだ。悪魔の致死量はティーカップの表面積などでは到底足りないので、疑われたりはしないだろう。(心配しすぎだとか言うな。俺は小心者なんだよ)
「美味しいです★クッキーもご自分でお作りに?」
『はい。お口に合いますかしら?』
「ええ、とても美味ですよ。メフィストがこんなに美味しいものを頂いていたとは★」
『それはよかった。』
そう言うとオルクさんは”貴女は笑顔の方がかわいいですよ★”と言った。無意識に笑っていたらしい。
その後オルクさんは仕事があるらしく出かけていった。そういえば、よくもまあ同じ屋敷にいて気が付かなかったものだ。多分メフィストの仕業だろう。・・・今回の件も含めて。
『メフィスト君ー、今日ね、オルクさんに会ったよ。』
「オルクに?!何もされませんでしたか?!」
『?最初は怖かったけど、紳士的だったよ?』
「・・・オルクは死刑執行人なんですよ☆血を見るのが趣味なんです☆」
メフィストは語尾に☆を忘れずに言った。きっと緩和ケアのつもりなんだろう。この場合はシリアスな雰囲気の緩和だが。
『へー、そうなん。因みに俺は骨フェチだよ。』
「へー、じゃないですよ!あと貴様の嗜好など知ったことか!」
『怒るなよー。それになんでここに引っ越してきたときに紹介してくれなかったの?』
「それは、まあ、奥村兄弟のこともありましたし☆」
『嘘だな。燐たちはそのとき赤ん坊だった。』
「・・・」
『・・・』
ダッとメフィストが逃げ出した。魔法で空間移動しないところを見ると、よっぽど慌てているらしい。だからといって見逃すわけにはいかない。俺は白兎のようなメフィストを全速力で追っかけた。
あとがき
ついにやりました!オルクさんとのコラボ!!エリアちゃんもですが、このためにサイトを作ったと言っても過言ではありません。快く許可してくださったぶーたさんにspecial thanks! ぶーたさんのみお持ち帰り可です。