Right & gnorW


□モノトーン・クロウ
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地球上に存在する生命体は、幾度も絶滅と進化を繰り返してきた。

一度、原始的な生態系を創り、元の形へ戻っていく。
主が消えた位置には、新しいものがつく。翼竜が去った空に、鳥達が君臨するように。





そのサイクルを何度も繰り返すうちに出現し、驚く程のスピードで文明を広げていった人間も、今回ばかりはそう簡単に解決出来る問題ではないようだ。

――絶えるか、生き残るか。

恐竜達が消えた理由とされている、「大量絶滅」がきたようである。



しかし、人間もそこで諦めるような生き物ではない。今まで生き残ってきた頭脳と技術を駆使し、何とか生き延びようとした。



それでも人口は3分の2にまで減少、不毛地帯も発生し始める。
生き残った人間達は必死に生きた。
薄れていた本能が、絶えてはならないと叫んだ。

ただ、人間が破壊していた環境と、大量絶滅に繋がる気候の大変化などによって打撃を受けた他の生物達は、次々に消えていった。
なんとか生き残る事に成功した生き物はどんどん進化、姿を変えないものはハエやネズミなどの生命力が強い生物だけとなった。

進化と退化が入り乱れ、原始的な生態系のピラミッドが再生されだした頃、人間はまた愚かな事を始めた。

戦争。

食物は減少、無人な地域は増加。少ない食べ物を求め、あるいは領地の拡大のため人々は武器を手にした。
やっと落ち着いてきていた環境は瞬く間にめちゃくちゃになった。

酷いことに、人口が少ないからと核兵器にまで手をつけた。
共食いとはこのことか。






地上が放射能などで汚染されるという最悪な事態が予想された時、
人間達の前に彼らは現れた。




「天使」。

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