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□ネサラ×ニアルチ
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「んじゃあちょっと出掛けてくる」
「え、坊っちゃまどこへ行かれるのですか?」
「ん…あぁ、リアーネとちょっとな…」
明らかに口を濁したネサラを老人は見逃さなかった。
「坊っちゃま、まさかリアーネ姫に何か変な事を企んでいたりしないでしょうな?」
ニアルチの言葉にネサラがため息をついく。何の想像をしてるんだこの老人は。仲良く散歩に行く、なんて恥ずかしくて言いたくなかっただけだよ…。
「…ちょっと…一緒に散歩に行くだけだ」
「さようでしたか。では、このニアルチも御同行せねばなりませぬな」
そう得意げに言うニアルチにネサラが思わず“は?”と言葉を漏らした。
「何でそうなる。俺はもうガキじゃねぇから1人で大丈夫だ。」
「もちろん坊っちゃまの心配はしておりませんとも!坊っちゃまはご立派になられた。私めがついていくのはリアーネ姫の護衛のためですよ。また悪い輩に狙われるやもしれませぬからな」
「だから俺がいるから大丈夫だ」
ネサラが少し声を強めた。
「いえ!坊っちゃまだけでは心配です!リアーネ姫が怪我でもしたらどうするんですか?」
しばらく言い合ったがニアルチはがんとして譲らないので、ついにはネサラが折れて、3人で行く事になった。
二人きりで会いたかったんだがな。まったく…空気読んでくれ…