番外編

□門出より旅立
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体育館に着いたら男女の列で入場して左右それぞれの席に着く

入場行進が終って、偉いらしい人の挨拶があったり国歌を歌ったりした後は、卒業生が1人1人壇上に上がって校長から証書を貰う

是がやたら長い割に退屈で退屈で…

周りの女子は泣いていたりするけど、何故涙を流せるのか私には解らない

そんな事を考えてる内に私の番

めんどくさいなー…と思いながら壇上に上がって順番を待ってる時だった

体育館の後ろで我が子を眺める父母達の中、居る筈のない人物を見つけてしまった

「…!」

マスターは、唖然とする私の視線に気付いたのだろう

いつものように優しく笑って、そしてゆっくり頷いた…

「…」

緩めていた気を引き締めて、ちゃんと背筋を延ばす

呼ばれた名前にはきちんと返事をし、真面目な態度で証書を受け取った


…来なくて良いよって言ったのに…


後ろ姿を見られてると思うと少し恥ずかしかったけど、仕事で疲れてるにも拘らず観に来てくれたマスターの為

私は最後に、真面目な生徒のふりをした



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