黒き月からの使者

□邂逅と運命
2ページ/4ページ




1-2組、小早川瀬那

平凡な彼にとって、それは単なる偶然だった

リンチされそうになったボロい小屋

そこに現れた巨漢

報されたアメフト部の存在

そして、自分を攫い縛り上げた金髪の男に至っては自分は明らかに被害者だ

そんな一風変った人達に出会ってしまったセナは、早朝ミーティングだと言われ渋々アメフト部の部室に向っていたのだ

「お早ようございます」

挨拶をしながら扉を開けると、中には栗田も蛭魔も居なかった

「あれ?」

その代りに居たのは、黒髪をした見知らぬ女子生徒

「君、セナ君?」

セナに気付いた綺麗な女子生徒は、パソコンから顔を上げてそう訊ねてきた

「あ、はい。小早川瀬那です」

「妖一から聞いてるよ、新入部員だって。栗田なら校庭に居ると思う、妖一は…」

彼女が全ての言葉を言い終える前に、セナの躯に一瞬にしてシュルルとロープが巻き付けられた

「え?え、え?」

狼狽えるセナの背後から

「あかね、テメェもさっさと来い」
と蛭魔の声がしたと思ったら

「ya−ha−ッ!!朝練だー!!」
と、ロープを引っ張られ校庭へと強制連行されたのでした

.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ