黒き月からの使者

□戦いの前に
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「よっこいしょッ」
と、多少ふら付きながら段ボール箱をリアカーに積むセナ

アメフト部は今、明日の王城戦へ向けて荷造り中なのです

「うわわッ…!」
と、フラフラした様子のセナを栗田が支え

「是は僕が持つよ。セナ君は持てるの持ってきてね」
と言ってセナから箱を受け取り他のと一緒に軽々運んで行った

「チッ、使えねぇ。早く積み込まねぇと明日なっちまうぞ」
と、扉の開いてる部室から蛭魔の文句が聞える

「文句言うなら蛭魔君も運んでよ!」

「…」

部室で備品を段ボールに詰めてたマモリが透かさず反論するけど、蛭魔は知らん顔してテーブルでパソコンを弄り続けてた

「ガウガウ!」

「ダメだよケルベロス、さっきも食べたでしょ」

「ク〜ン…」

「可愛くしてもダメ。是は明日使うから大事なの、良い子だから我慢してね」

そう言ってあかねは膝の上で温和しくしてるケルベロスの頭を撫でた

「あのー、あかねさん?それ何してるんですか…?」
と恐る恐る訊ねるセナの視線の先には、テーブルに座って「遅刻」と書かれたハチマキにケルベロスのおやつ用の骨を縫い付けるあかねの姿が…

「ん?ケルのおやつ縫い付けてるんだよ」

「いや、そうじゃなくて。それで何を?」

「ケケケッ、それは明日のお愉しみだ!」

「…;」

彼女と向き合う様にテーブルに座っている蛭魔がそう言って笑う

蛭魔の笑顔+ケルベロスのおやつ=…

初めて40ヤードを測った時の事を思い出し、セナはとっても嫌な予感がした…







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