番外編

□門出より旅立
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学校に戻った私達は先ず顧問に会って、写真は要らないけど卒アルには一言書いて貰って、序でだから部室も見納めようと思い部室も開けて貰った

もう使わないからと皆で片付けをしたから中は空っぽ

でも、ここで練習メニュー考えたり休日にはお昼食べたりした思い出は直ぐに蘇ってくる

まだ残ってるのはテーブルと椅子だけで、そこに4人で座ってそれぞれの卒アルにメッセージを書き込み合う

こうして4人で顔突き合わせて練習組んだりしたっけ…

「何もないと淋しいね」
と栗田が呟く

「俺らが卒業したらアメフト部も廃部だな」
とムサシ


…廃部?


ムサシの言葉に、ふと意識を現実に戻される


そっか…

アメフト部後輩居ないし、教員達からも廃止されたがってたもんね…

私達がずっと頑張って守ってきた部室も片付けるように言われたし、取り壊されるのかな


嫌だな…それ…


「…!」

ポロポロと、知らず知らずに涙が溢れてきた

「あかね…」

「あかねちゃん…」

3人の視線が私に集まる。嫌だ、泣き顔なんてらしくない…らしくないのに…

「あれ?…あれ…可笑しい…涙が、止まんない…あれ?…変だよ私…」

拭っても拭っても、溢れてくる涙

アメフト部が無くなっちゃう…。アメフト部が在ったから皆に逢えたのに…、やっと見つけた居場所なのに…、私の大切な場所…麻黄デビルバッツが無くなっちゃう…

「…嫌ッ……嫌ぁ…まだ皆で、ここで…アメフトがしたいよ…」

子供のように泣き出した私を、隣に居た妖一は自分の胸に抱き寄せて

「好きなだけ泣け、我慢すんな。俺ら全員、ここにいっから…」

そう言って、私の頭を撫でてくれた

だから私は堰を切ったように、妖一の胸に顔を埋めて大声を上げて泣いたんだ…

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