恋愛方程式 II

□月が綺麗ですね。
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侠憂side




『月が綺麗ですね。』



それは夏目漱石が「I LOVE YOU」と訳した言葉。


まぁ俺にはそんなメルヘンな言葉使えないけど。





今日は学校のレクみたいなもんで花火をすることになった。


7:00

3学年全員が集まりがやがやと花火を始める。

あいにく、月は雲で隠れていて見えない。


流「侠憂くーん」
蝶「やっと見つけたー!!」
椏「3学年だけのはずなのに人多くない?」
蝶「みんな彼氏とか彼女連れて来てるからちょっと多いのかもね。」
侠「俺らも花火始めよっか。」




蝶「見てー!3本持ち♡」
侠「ばか。危ない。」
蝶「ごめんw」
流「線香花火もらってきたよ」
椏「おぉ!」
蝶「やるやる!!」



ぼーっと線香花火をする。

ぱちぱちと不規則に飛び散る火の粉は暗闇を小さく照らす。


不意に線香花火の核みたいなのが大きくなった。


侠「・・・なにすんの。」
蝶「落ちそうだったからww」
侠「だからってくっつけなくても・・・あ。」
蝶「あ・・・。」

落ちた。

侠「ほら。落ちちゃったじゃん。」


ずっとしゃがんでいたから腰が痛い。
腰を伸ばそうと立って上を見る。


侠「あ・・・。」

蝶「どしたの??」

侠「満月が出てる。」

蝶「ほんとだ!雲が晴れたんだね。」



びっくりするぐらい大きく丸い満月。


目を蝶々に向ける。



月を見る蝶々は目を見張るほど綺麗で・・・





侠「綺麗だね。」


蝶「うん。」


侠「ほんと月が綺麗ですね。」


蝶「・・・侠憂くん。」


侠「ん?」


蝶「死んじゃいそうなくらい綺麗だね。」


侠「意味知ってたんだ。」


蝶「乙女として当然だよ。」


侠「ねぇ。」


蝶「なんだね。」


侠「泣くか笑うかどっちかにしてよ。」



うるさいと顔を赤くしながら笑い涙を流す蝶々の手を握った。





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