03/10の日記
19:20
紫陽花
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紫陽花を横目に梅雨が通り過ぎる
目を伏せたままの気怠い午後
うだるような暑さだ
花が溶けて、記憶も溶けて、
もう息をするように嘘を吐いて
上澄みだけ掬って笑ってみせてよ
どうせみんな散り散りになるのだ
不幸な方が正しいと
足りない方が正解だと
どうしてそれが普通だと言うのか
顔を覆う姿が目に焼き付いて離れない
渡せなかった花束を握り潰した
どうせ溶けて無くなるのだというのに
置いてきた触れられない記憶を
ずっと遠くから眺めている
二度と手が届かないところまで逃げだして
ようやく私は振り返ることが出来るのだ
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