■小さな恋のうた その3 【完結です♪】
□4・琉球グラス
1ページ/2ページ
・
透明な、液体を。
カラカラと指で。
かきまぜる。
・
・・・・。
・
いー音。・・・・
・
・・・・。
・
この。・・・音も。いいよな。
・
・・・涼やか、な。・・・・・
・
あいつ。
みたいな音がする。・・・・
・・・。(笑)
・
・
・
・
「ただいまー。」
・
「・・・。おかえり。」
・
「・・・智くんの方こそ。」
「・・・。」
「おかえり。」
「ん。(笑)」
・
・
「・・・楽しかった?」
・
「うん。」
・
「・・・。」
・
「・・・・。」
・
「そこ。また行ったんだ。」
・
「え?」
・
「グラス。」
「あ。」
・
・
前のと。
微妙に青が違う。だけなのに。
・
「気がついた?」
・
「うん。(笑)」
・
・
「そういう細かいとこ。」
「気づくのがおまえだよな。」
・
「・・・。ふふ。」
・
・
「・・・。そうだ。」
・
「・・・はい。おまえに、・・・お土産。」
・
ことりと。
赤のお揃いのグラスを渡す。
・
・
「・・・。わぁ!」
・
「・・・。」
・
・
「ありがとう、これ欲しかった。」
・
「そうだよな。」
・
「そうだよ、(笑)」
・
「あたしのは。割れちゃったから。」
・
「・・・。」
・
・
そうだ。
・
そうなんだ。
・
そう。・・・言ったらさ。
・
あいつがさ。
・
・・・。
・
お土産に。買おうって。言い出したの。
・
・
・・・カラ、カラ。・・・また氷を指で、混ぜる。
・
・
・・・・。
・
おまえに。
買って行って、あげようって。
言い出したんだよ。
無邪気な。顔してさ。
・
・・・。
・
きっと。喜ぶよって。
ニコニコ、笑ってさ。
・
逆に。
笑っちゃうだろ。
・
でも、さ。・・・あいつ。・・・・
優しいだろ。
・
・・・・。
・
あいつ。
・
優しくてさ。可愛くて。
ほんと最高の。・・・やつなんだぜ。
・
「・・・。」
・
・・・おれ、今そう、言って。おまえに。
・
いま。ほんとは。
なんか自慢したいの。おれ。
・
「・・・・。」
・
そんな、事思う。おれはやっぱり。
・
やっぱり。・・・
なんか。・・・どっかが。
おかしーんだろうな。
・
きっと、どっかが、変に。・・・なってんだろうな。
・
「・・・。」
・
「なに?」
・
おまえをじっと。・・・見つめる。
・
「・・・。」
「いや。(笑)」
・
「・・・なんでも。ねーよ。」
・
「・・・。変な。智くん。(笑)」
・
「・・・。(笑)」
・
・・・変、か。・・・・・(笑)
・
おれは。笑って。
立ち上がる。
・
「・・・。一緒に、風呂。・・・・」
「入ろうぜ。」
・
・
・