■小さな恋のうた その3 【完結です♪】

□19・【エピローグ】〜運命
1ページ/4ページ



あのバーで。グラスを傾ける。



「つまんね。」





・・・つまんねぇ、なぁ。・・・・・



ぐるぐる。グラスを。まわして。・・・・



ふと横を見ると。





暗がりで。

同じように、

静かにグラスを揺らす。



・・・ひとりの。人が見えた。





「・・・・。」





少し。

ほんの。・・・少しだけ。




かずに似てんな、と思う。




・・・ぃや、決して似てる。訳じゃないけど。





そうだ。なんだろ。

その。何となく。その・・・

雰囲気。・・・か。・・・・



「・・・。」



そんな事。考えてたら。

興味がわいて。





思わず立ち上がって、近づいて。

カウンターに、肘をついて。

声を。掛けていた。





「どうも。」



「・・・・。?」





「待ち合わせ?」





「・・・。(笑)」



ぅぅん、とその人が。

長い髪を揺らす。



「・・・・。」



すげぇ。

美人じゃん、





・・・やべぇ////、・・・・



俺は隣に。座って。





「俺も。・・・ひとり。」





「いつもいっしょに来てた。」

「やつが、さ。」



「・・・。結婚。しちゃって。」





「・・・。そうなんだ。」



「・・・。そう。」





「相手の。」

「人はさ。」





「もともとは、結婚してたの。」



「不倫しててさ。」



「・・・・。」



「俺さんざん、相談にのってやったのに。」





「その人結局、離婚してさ。」



「一緒になったら、もう。」

「飲みに来ても、くんないの。」



「ふふ。」



「ひでぇよな。(笑)」



「・・・・。」





「その人の事。」

「好きだったんじゃ。」



「・・・。」



「ないの?」





「・・・・。」





「そうかも。」



「・・・。」



「すげぇ。可愛いやつだったから。」



「そうなんだ。」





「でも貴女のが。」



「・・・。」



「綺麗だな。」





「そのさ。」



「相手さ、大野さんって人さ。」



「・・・・・・。」





「奥さんと。すげぇ仲良かったんだよ。」



「・・・・。」





「大事にしてる、っぽかったのに。」



「結局相手から離婚されたみたい。」



「なんかよく。」

「わかんねぇよな。」





「まぁ。あいつが幸せなら。」

「俺は。いいんだけどさ。」





ごくりとグラスの。中身をあけた。





隣の。美人のグラスを見て。





「一緒に。」

「一杯どうですか。?」





「・・・。」

「ありがとう。」



「・・・良かった。(笑)」





グラスを挙げて。

カウンターに、同じ物を。オーダーした。








次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ