■小さな恋のうた その3 【完結です♪】
□9・可哀想
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椅子に座り、直して。・・・・
前を、向いた。
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「あの、人。・・・・」
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「・・・・。」
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「口でしてもらうのが。好きでしょ。」
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「・・・・。」
「・・・・。///////」
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僕はゆっくりと。
横を、向いて。
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無言でその人を。・・・じっと見た。
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「でもあたしは。」
「してあげなかった。」
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「・・・・・。」
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「ただでさえ。」
「私とはそういう、状態にならないのに。」
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「その上。口でするなんて。」
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「そんなの屈辱としか。思えなかったから。」
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「・・・・・。」
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「でもあなたとは。」
「違うのかな。」
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「・・・・。」
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・・・僕、とは。・・・・・
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・・・・。
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・・・考えを、巡らせる。
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今、聞こえた。
言葉を必死に。寄せ。・・・集めて。・・・・
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頭の中で。・・・繰り、返して。・・・・
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この、目の前の。人が。
何を。求めて、いるのか。
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僕と、何の。・・・・
話を。・・・したい、のか。・・・・・
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「・・・あなたはして。あげるんでしょ?」
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・・・僕の。方を向いて、言う。
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「・・・・・。」
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「・・・僕、・・・は。・・・・」
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「・・・。僕、は////、・・・・」
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「大野さんに。」
「抱いて欲しかったから。」
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「・・・・。」
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「口でもしたし、」
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「お願いも、しました。」
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「抱いて欲しいって。・・・・」
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つぶやく。ように言う。
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「・・・・。」
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「断られましたけど。」
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「でもそのあとも。」
「諦めないで。」
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「頑張った////、」
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「大野さんと。したかったから。」
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「・・・・。」
「・・・。(笑)」
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・・・ふふ、・・・凄い、と言って。
あの人が。目の前で、・・・笑う。
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「・・・・。」
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「・・・。///////」
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下を、向く。・・・・
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「・・・・。」
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「どうして////、ですか。・・・・」
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「・・・・。」
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どうしてそんな、話////を。
するのか。・・・・
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口に出して。
聞いて、・・・みたけれど。
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その人は。僕の、・・・言葉を。
違う、意味に捉えた。
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「・・・。どうして。・・・って、」
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「嫌い、だから。」
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「・・・・。」
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「口で、するのは嫌いなの。」
「・・・・。」
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「ただ。それだけ。」
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・・・・。
嫌い////・・・・・
ただ。・・・それだけ。・・・・
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胸がぎゅっと。なった。
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「可哀想////、だ////、・・・・」
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「え?」
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「大野さんが。可哀想////・・・・」
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「・・・。?」
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「・・・・・。」
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「あなたに。」
「努力////してもらえなかった。」
「大野さん、可哀想。・・・・・」
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「・・・・。」
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・・・。ふふ。
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「・・・可哀想、か。・・・・」
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可哀想なのは。・・・・
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あたしの方かと。思ってた。
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「・・・・。」
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可哀想////・・・・
そう、自分で、口にした、事に。
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急に、切なくなって。
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胸が。・・・痛むのと、同時に涙が溢れた。
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「・・・、///////」
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それを、ごしごしと。
掌で拭う。
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「・・・・・。///////」
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「・・・。」
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「どうして、あなたが、泣くの?(笑)」
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「・・・〜〜〜////・・・・・」
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「泣かないでよ。(笑)」
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「・・・あたしの方が。何か、したみたい。・・・・」
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「・・・・。」
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「・・・///////」
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