■小さな恋のうた その2

□17・僕は僕だよ
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あなたの髪に。


さらりと触れる。





・・・・。





これ以上。





くっついたら。


離れられない。・・・・





お互いが。


お互いに。


溶け合って。しまうような錯覚に。陥った。








僕は。わかってる。





これ以上。





傍にいたら。


離れられない。





・・・・。








「・・・〜♪」


「・・・〜〜♪・・・・」





心に浮かんだ。


またあの。


唄を口、ずさんで。








またそっと。・・・・


その髪に、触れる。








・・・・。








今まで。何度も何度も。


考えた。ことがある。





僕は、どうして。・・・・








男の子で生まれて。きたのかな。


もしかして。





間違えて。


生まれてきちゃったんじゃ。ないのかな。





・・・・。








いつだったか小さい頃。


聞いた。事がある。そんな、事。・・・・


そんな、風に聞いたら。





お父さんも。お母さんも。


とっても悲しそうな。顔をしたから。





僕は、僕だよって。


僕は僕で。


いいんだよって。


教えてくれたから。








それからはそんな。事。・・・・





一度も口に。


した事はなかった。けど。





・・・・・。








でもいつだって。


こういう時。





こうしてあなたの事を。


愛しく。思う時。


僕は。つい。


考えて、しまうんだ。








もし僕が。


女の子。だったら、な。・・・・





もし、僕が。・・・・





誰より早く。


この人と。


巡り会えて。いたら。な・・・・








どちらも。決して。


叶う事はない。・・・はずの。


事なのに。








つい。そんな風に。


考えずには。いられなくて。





どうしても、そう。・・・・


貴方を思う度。


・・・そんな。事。・・・・何度も。


・・・何度も。考えて。しまうんだ。





〜♪


〜〜♪








そしてまた。


いつものように。


涙がぽろぽろと。


流れては。落ちる。








良かった。・・・・


大野さんが。


寝ている。時で。








泣かないって。


約束したから。








ごめんね、大野さん。








あなたをここまで。・・・・


連れて来たのは僕、だよね。








でも。・・・僕。


でもね、僕。





とってもとっても。


嬉しかったよ////、・・・・








ありがとう、と。


そうつぶやいて。





・・・・。





大野さんの傍に。


寄り添って。眠った。









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