■小さな恋のうた その1
□5・マッサージ
1ページ/2ページ
・
広いバスタブに。
2人で浸かって。
・
「はぁ////〜〜極楽、極楽。」
・
「ふはは。じーさんか。(笑)」
・
「ふふ。」
・
・
にぎ、にぎと。
向かい合って。おれの方に伸ばした。
足の裏をマッサージ、してやる。
・
・
「・・・・。」
・
「・・ん?・・・いたい?」
・
「・・・ううん。大丈夫。」
・
「・・・。(笑)」
・
「でもさ。」
・
「夫が妙に。優しい時ってさ。」
「・・・。」
・
「浮気を疑った、方がいいんだよね。」
・
「・・・。(苦笑)」
・
・
「おれはいつも。優しいだろ。」
「それは、そうだけど。(笑)」
・
・
「・・・・。」
・
「・・・気持ちいい。・・・・」
・
おまえが。目を瞑る。
・
・
・・・・。
・
ふくらはぎの方まで。手を伸ばして。
・
優しく、力を入れて。・・・握る。
・
「・・・すげぇ。堅くなってんじゃん。」
「ん、」
・
「立ちっぱなしだからね。・・・」
・
「・・・。」
・
・
しばらく、そうやって。
足の。筋に沿うように。
・
手を上下に。・・・優しく、強く。行き来する。
・
・
・
「・・・。」
・
「・・・会社に、さ。」
「・・・ぅん。」
・
「女みたいに。・・・すげぇ可愛い。奴がいんの。」
「話しただろ?」
・
「・・・うん。(笑)二宮クン、ね。」
・
・
「・・・。そう。(笑)」
・
「・・・。」
・
「今日そいつと。飯食ったんだけど。」
「・・・。」
・
「女みたいに。可愛いって言ったら。」
・
「そういう事言われたくないって。」
・
「・・・。」
・
・
「あ、違うか。」
「女より、可愛いって言ったんだっけかな。」
・
「・・・・。」
・
・
「男が女を可愛いと思うのは。」
「当たり前の。事だからって。」
・
「わけ。わかんねぇよな。」
・
「・・・。」
・
「わけ、わかんないのは智くんの。方だよ。(笑)」
・
・
おまえが。笑って。
・
・
ざばっとバスタブから、立ち上がった。
・
・
「・・・?」
・
「どうしてそういう。事を私に。言うの?」
「は?」
・
・
「牽制、してるの?」
・
・
「・・・。牽制?」
・
・
・・・って。
何だっけ。かな、・・・・
・
「・・・。」
・
「・・・。?」
・
・
・