■小さな恋のうた その1

□5・マッサージ
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広いバスタブに。


2人で浸かって。





「はぁ////〜〜極楽、極楽。」





「ふはは。じーさんか。(笑)」





「ふふ。」








にぎ、にぎと。


向かい合って。おれの方に伸ばした。


足の裏をマッサージ、してやる。








「・・・・。」





「・・ん?・・・いたい?」





「・・・ううん。大丈夫。」





「・・・。(笑)」





「でもさ。」





「夫が妙に。優しい時ってさ。」


「・・・。」





「浮気を疑った、方がいいんだよね。」





「・・・。(苦笑)」








「おれはいつも。優しいだろ。」


「それは、そうだけど。(笑)」








「・・・・。」





「・・・気持ちいい。・・・・」





おまえが。目を瞑る。








・・・・。





ふくらはぎの方まで。手を伸ばして。





優しく、力を入れて。・・・握る。





「・・・すげぇ。堅くなってんじゃん。」


「ん、」





「立ちっぱなしだからね。・・・」





「・・・。」








しばらく、そうやって。


足の。筋に沿うように。





手を上下に。・・・優しく、強く。行き来する。











「・・・。」





「・・・会社に、さ。」


「・・・ぅん。」





「女みたいに。・・・すげぇ可愛い。奴がいんの。」


「話しただろ?」





「・・・うん。(笑)二宮クン、ね。」








「・・・。そう。(笑)」





「・・・。」





「今日そいつと。飯食ったんだけど。」


「・・・。」





「女みたいに。可愛いって言ったら。」





「そういう事言われたくないって。」





「・・・。」








「あ、違うか。」


「女より、可愛いって言ったんだっけかな。」





「・・・・。」








「男が女を可愛いと思うのは。」


「当たり前の。事だからって。」





「わけ。わかんねぇよな。」





「・・・。」





「わけ、わかんないのは智くんの。方だよ。(笑)」








おまえが。笑って。








ざばっとバスタブから、立ち上がった。








「・・・?」





「どうしてそういう。事を私に。言うの?」


「は?」








「牽制、してるの?」








「・・・。牽制?」








・・・って。


何だっけ。かな、・・・・





「・・・。」





「・・・。?」









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