転生したら、男子になった

□第二章
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あれから、2年
私は10歳になった。




「セロン、ゼオン。お前たちに家庭教師を付けようと思う」

「……なんですか、いきなり」

「はっきり言おう。もうゼオンに剣術を教えられる技量を持つ兵士がいない」
そう、朝の朝食タイムに父上が切り出した。




あれから2年
無事に我が妹も産まれ、鉱山も見つかり復興は殆ど終わっている。
剣術に精を出す弟は、どうやら村の男衆でも適わなくなり始めたようだ。


恐ろしきかな我が弟。
僅か8歳でそこまで強くなろうとは




「でも、何故俺まで?」

「セロンには魔術師を家庭教師に付けようと思う。あの小屋にある書物は読み終わってしまったと愚痴ってたからな」


そうなのだ。
まだたくさん時間かかるな〜と思っていた魔法書が、全て読み終わってしまったのだ。
無論、こっそり家を抜け出さないで堂々と魔法の練習が出来た事が一番の要因だが。


「幸い今はお金の余裕もある。そこで家庭教師を付けようと思ったんだ。ちょっと考えてみて欲しい」







「…ふむ、どうしようか」
自室に戻って椅子に座り、先ほどの父上の言葉を考えてみる。



「なんじゃなんじゃ? 何悩んどるのじゃ?」
朝食について来なかったリティアが近寄る。フワフワと宙に浮いているので足音はない。
私が何かいう前に、ついてきていたイブが喋る。


「セロンに、家庭教師をつけると当主は考えているらしい」

「家庭教師とは…。ふむ、良いのではないか?」

「妾は反対じゃ」
と珍しくイブは反対の意見を出す。



「何故じゃ、セロンがもっと強くなるのじゃぞ?」

「その前に、『創世の瞳』の能力上げをした方がいい」

「…俺以外に持ってる奴、いる?」

「いない、な」


 
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