田舎姫ティエル
□一章
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「ティエルさーんっ!!」
「は〜い! あらまぁ、バルック様ではありませんか。わざわざこんな所までご苦労様です」
「いえ!! ティエルさんの顔を見に来ているような物ですから。こちらが今日の郵便です」
「まぁ、冗談がお上手ですこと。はい確かに。お昼はお食べします?」
「残念ながら、まだ仕事があります。また今度誘って下さい」
「まぁそうなの、お仕事頑張って下さいな」
「はい!!」
そうしてバルックという青年が去ったあと、数枚の手紙を見てみる少女。
「お父様から…、これはサラからね。…あら? これは…」
「ティエル−!! どうしたんだい」
「お婆様〜!! 王宮から私にお手紙が届きましたの〜!!」
そう言って、ティエル・フロイゼンは草原を走り出した。
「ふ〜ん、王宮ねぇ…」
畑仕事をしていたお婆様にお手紙を渡すと、怪訝そうな顔をされた。
「なんでしょうね。私ちっともご関係がないわ、お婆様」
「私だってそうさ。間違えて送られたんだろ。さぁティエル、この苗を植えとくれ」
「はい!! お婆様!!」