書斎

□不安と鈍感
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何故だ…。

支給された制服は藍色、つまり五年生のものらしい。
それは構わない。が




「授業に参加するのはともかく、なんでわざわざ男装する必要があるのですか?」

「それはだっておなごの格好のまま、忍術学園に住む訳にもいくまい。」


ごもっともだ。周りは男しかいないのだから。一応、自分も女のはしくれだし少し不安もある。
と潤は思った。



「理由は他にもある。」


その理由とは、暗殺者のことだ。くの一教室は忍術学園から離れているので、もし侵入されたら。ということだそうだ。

くのたま達は優秀だが、相手は殺しのプロだ。

忍術学園に応援を頼むにも時間がかかる。



…と。

潤は自分の置かれた立場を改めて認識した。表情が曇ったのが見て取れる。


「まぁ、そう考え込むな。我々がついているのじゃ。」

学園長は笑ってみせた。
潤もそれを見て少し安堵したのか、溜め息をついた。


「とりあえず制服を着てごらんなさい。」

「…はい!」




学園長は一度庵を出て行った。
なんでも、職員室にいくらしい。
着替えるから気を使ってくれたのだろう。

…一つ疑問が。

「褌…しなきゃ駄目なのか ?」









しばらくして潤はようやく着替え終わった。
褌と格闘したせいで時間がかかった。あとは問題ない。
さらし布を巻いたから身体のラインでバレることはない…と思う。


―ガラリッ

襖が開き学園長が入ってきた。


「…いかがですか?」

潤の質問に学園長は笑った。

「ふぉっふぉっ、よく似合っておる!まさに忍たまじゃ。」

「ありがとう…ございます。」


喜んでいいのだろうか?まぁ、男装としては完璧バッチリなんだろうが…。



「よし、潤。あとはこの書類にお主の名前を書くだけじゃ。」


書類を受け取り目を通すと経歴はすべて捏造のものだった。
もっとも、年齢は実際に不明だ。


潤は名前を記入した。
これで忍術学園の生徒となった。



期待3割不安7割だ。
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