□自然に不自然
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「おはよー…ぉぉぉおおおお!?」
がらがらと音を立てて扉を開いた城之内はわけもわからずに反射的に身を捻った。
驚異的な速さで城之内の横を通り過ぎて行ったそれは、今は城之内の後ろにいる。

「……っち、はずしたか…」

忌々しげに背後で舌打ちしたのはついこの間転生してきたもう一人の遊戯―――今はアテム・イシュタールと名乗っている、城之内の親友だ。
「お、お、おま、お前!アテム!なんだよいきなり、扉開いたら蹴りが飛んで来るとか誰も思わねえだろ!?」
「勘違いしないでくれ、城之内君。俺は君のためにも早急に決着をつけたかったんだぜ」
なんのだ。
「俺達は親友だ、城之内君」
「お、おぉ…」
「だから俺は少しでも君がらくに死ねるように今ので君の息の根を止める予定だった」
「おいぃぃ!?」
「それが失敗した今、やはり俺が直々に手を下すしかないようだな!」
「最初からお前が手を下してるだろーが!!」
「すまない城之内君、俺は君を許しはしない!!」
もう意味がわからねぇ。と城之内は遠い目をしながら思った。
「罰ゲー…!」
「おはよう、もう一人の僕、城之内くん」
「あ、相棒!?」
城之内が意味もわからず死を覚悟した瞬間、天使は訪れた。
「こんなところでなにしてるの?」
「相棒を待ってたぜ!」
嘘つくな、と城之内は言わなかった。賢明である。





「そもそも城之内君はずるいぜ」
昼休み、屋上で昼食を取りながらアテムは拗ねたように言った。屋上にはアテムを含めて城之内と本田の三人しかいない。獏良と遊戯は購買に行ってしまった。
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