□懐かしい話をしよう
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コウスケが意識不明で運び込まれたのを見て、ジンが微かに口元を緩めた。
「ジン?」
「あ、いや…」
別に楽しいこともないだろうに、ジンはやはり笑っているように見えた。
「不謹慎だとわかっているんだが…。神谷コウスケが倒れていると戦いが終わったような気がしないかい?」
それを聞いてバンも微かに笑う。傍にいるヒロ達が不思議そうに顔を見合わせていた。
「そうだね。なんだか解決した気分」
「ごめんよ、君にとっては良い思い出じゃないだろう」
「そうでもないよ。あれがなくちゃ俺、きっとここまで強くなれなかった。あの人は俺の中でまだ生きてるし、あの人が望んだ世界のことだって俺はちゃんと覚えてるから」
言いながらバンは肩を震わせる。
「でも思い出した。覚えてる?コウスケがルシファー出すときの台詞!」
「ああ。美しき愛機、だろう」
「神に愛された、とか!」
「気付けばオッドアイになってた」
二人はとうとう声に出して笑い出す。
「初めて見たときはさ、素肌に釣りベストだったけど髪に関しちゃ黒いシュシュ着けててなかなかおしゃれだ。とか思ったけど」
「おしゃれ?やめてくれ、バン君。彼の眼帯、知っているだろう?」
「あははは!覚えてる!天使と悪魔の二面性のときアニメで外したからびっくりした!」
「あぁ、あれは驚いた。眼帯もそうだけどオッドアイになったとき、あぁ、彼は本物だって思ったさ」
「思った!コウスケは本物!ねぇ、知ってる?俺もモニター越しだったんだけどさ」
「なんだい?」
「あいつってば『僕はガーディアン』とか言っちゃったんだよ!」
「……操られていたんだろう?………ぶれないな」
「ほんとにね……」
「少しはぶれるべきだと思うけど…」
「いや、ジン……。俺達、今実年齢が中学二年生だしさ…」
「……神谷コウスケもそろそろ悪化する時期か…。中二と言えば…、仙道君はどうだい?」
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