小説(色々)
□久しぶりの君との時間
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─風丸視点─
円 「今日の練習はここまで!」
円堂のこのかけ声で今日の練習は終わる
FFIが終了した俺達はいつも通りの毎日を過ごしている
学校に行き、勉強をして、部活をする──
これが俺達の日常だ
練習が終わった俺は道具の片付けをして自分の荷物を片付ける
そして、いつもなら円堂達と一緒に帰るのだが…
今日はなんとなく1人で帰りたかったので皆に「今日は先に帰るよ」と声をかけて部室を後にした
雷門中を出てしばらく歩く
吹雪は今頃どうしてるかな……
と、俺は遠く離れた恋人の事を考えていた
次はいつ会えるだろうか…
北海道は遠いから夏休みとかまで待たないといけないな
毎日のようにメールや電話をしているが、それでも足りない
吹雪の声を聞くと会いたくなってしまう
俺は「ふぅ…」とため息をついた
それと同時に頬に水が当たる
ポツポツと音がして空を見上げると黒い雲が空全体を覆っていた
天気予報通りの夕立…
俺は鞄にいれていた折りたたみ傘を広げると、また歩き出す
そしてふと前を見る…
そこにはココにいるはずの無い姿が映っていた──…
風 「…ふ…ぶき…?」
灰色で外に跳ねたの髪の毛
大きな目に整っている横顔…
北海道にいるはずの恋人が今、俺の前にいる
一瞬、夢でも見ているんじゃないか…なんて思ったがハッキリしたこの感じは現実だ
俺はすぐに走り出して吹雪の元に行った
吹 「──風丸くん!」
風 「吹雪!!なんでここに!?」
俺がそう問いかけたら吹雪は「あーあ」と残念そうな顔をしてから、クスクスと笑い出した
吹 「もう!風丸くん見つけるの早すぎだよ!折角家の前で驚かそうとしたのに」
風 「驚かすって…というか、来るなら連絡しろよな!」
吹 「そしたらサプライズにならないでしょ」
吹雪はそう言うと前と変わらない笑顔を見せた
あぁ…
吹雪に会えたんだ…
たった3か月会わなかっただけなのに何年も会っていない感じがする
今すぐにここで抱きしめたいが流石に人前なのでグッと我慢した
風 「久しぶりだな…元気にしてたか?」
吹 「見ての通りだよ。風丸くんも元気そうで安心した」
風 「とりあえず家に来るか?もし泊まるとこ無いんだったら泊めてくけど?」
吹 「そうしてくれると助かるよ♪」
風 「じゃあ家に行くぞ。濡れるから傘に入れよ」
吹 「ありがと風丸くん」
俺はさしていた傘を少し吹雪に寄せた
ずっと遠くにいた吹雪が今は肩が触れるくらいの距離にいる
俺と吹雪は今まで離れていた分も沢山話した
白恋の事や雷門の事
サッカーの話や世間話
とにかくお互い話したい事が沢山あって、まだ話したい事の少ししか話していないのにいつの間にか家に到着していた
まぁ今日は吹雪も泊まってくれる事だし時間は沢山ある
今日は吹雪との時間を目一杯楽しもう
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