Play Ball

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「で、話って何なの?剣城くん」







俺は早速剣城くんに聞き出そうとした




何故河川敷に来たのか、など他にも聞きたい事は沢山あるがまずはこれだ。これを聞かなければ先に進まない







少しの沈黙が流、剣城くんが口を開けた






…―そして



予想外の言葉が剣城くんの口から出された






「お前……雷門第一小エースの狩屋マサキ…だろ?」




「………え…」







雷門第一小とは俺の通っていた小学校の名前だ



…そんな事はどうでもいい…





何で――…





「何で……知ってるの…」



「何故ピッチャーをしてたって言わなかったんだ」



「……答えになってない」





俺がそう一言呟くと、剣城くんは小さなため息をついてこちらを見る




「俺は第二小の剣城だ。一度…お前達のチームと対戦した」







第二小……


確か地区は近かったけど対戦したのは一度きりだ



大会では違うブロックだったし、失礼だが第二小はあまり強くなかったから決勝まで上がってこなかった






「お前の質問に答えた。次は俺の質問に答えろ」






……何でピッチャーやめたか……何でピッチャーをしてたって言わなかったか…って…?






「……嫌になった。ただそれだけ」




「……どういう事だ…?」






心なしか、剣城くんの顔が怖くなっていってる




ピッチャーをやめた理由を全て話せって言うのか?





全力で投げたボールを軽々しく打たれ、それを見て諦め始めるチームメイトを見て絶望感を味わったから嫌になりました……なんて、





言えるわけねーだろ……






「――何故やめたんだ!」





剣城くんはそう言って俺の腕をキツく握る




「っ――離せっ!」




「何故…やめたんだ…!」




「――っ何だって良いだろ!早く離せよ!」





掴まれた腕を思いっきり振るが中々離してくれない




何でこんなしつこく聞いてくるんだよ


たった一回戦っただけの奴が何でこれほどまでに必死になるんだ






「……離せ」




「……今から俺と投球練習しろ、そしたら離してやる」



「はぁ!?」



何で投球練習しなくちゃいけないんだ!


もう俺がピッチャーなんてやりたくないって言ってるのがわからないのか!?



「ふざけんな!俺はやめたんだ!早く離せ!」


「いいから投げろ!お前が投げると言うまで離さない!」



「…………意味わかんね…」







このままだと剣城くんは本当に腕を離さなさそうだ





…ここは適当に2、3球投げて解放されよう


どうせ野球部の人は見ていないし







「…わかった……だけど一回だけだからな。俺はピッチャーなんてやらない」



「…それは後で考える」








剣城くんの手が俺の腕から離れる




かなりキツく握られていたようで腕がまだジンジンと痛さを感じているが、俺は早く終わらせたいため痛さを気にせずにグローブの用意をした



そして、剣城くんも自分のスポーツバックの中からキャッチャーミットを出した













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