Play Ball

□01
1ページ/1ページ




「狩屋マサキです。よろしくお願いします」





―――4月



俺、狩屋マサキは長かった小学校生活を終えてようやく中学生となった



校舎の周りやグラウンドの周りに桜が舞い散る中、俺は早速野球部に入部届けを持っていった



そして今は自己紹介をしているところだ



俺の他に新入部員は4人だけ



ちょっと少ないんじゃないか?なんていらない心配をしてしまう




「狩屋マサキ…っと、よろしくね狩屋くん」




顧問こと音無春奈先生が紙に俺の名前を書く




「狩屋は野球経験はあるのか?」



「小学校の頃にやってました」




真っ先にこう聞いてきたのはキャプテンの神童先輩、




この流れだときっと……






「ポジションはどこを?」








………やっぱり、




ここで「ピッチャーやってました」なんて答えたら多分中学でもやらなきゃいけなくなるよな……




先輩達には悪いけど嘘つかしてもらいますよ、







「ポジションはセンターを」


「そっか、よろしくな狩屋」


「…よろしくお願いします」



「じゃあ次」







俺の自己紹介の番が終わり、次の奴が自己紹介を始める




誰かピッチャー経験者とかいないのかな、


そしたらこっちも気が楽だというのに





「松風天馬です!よろしくお願いします!」




「よろしく、松風は野球経験は…」


「いえ…壁あてくらいしか……」


「そうか、ならこれから頑張れよ」


「はい!」







…そもそも野球経験者じゃなかったな……





俺はそう思うと心の中で軽くため息をついた






「よし、次」



「剣城京介です。よろしくお願いします」





剣城京介と名乗った男は軽くお辞儀をする



「よろしく、野球経験は?」




「あります。キャッチャーをしてました」






あぁ惜しい、本当に惜しい




なんでバッテリーの受ける側なんだよ!投げる側経験してろよ!





「……」(ジロッ



「………っ!?」





先程の心の声が聞こえていたかと疑うくらい丁度良いタイミングで剣城京介くんと目が合った



…というか若干睨まれた




俺が疑問そうな顔をしていると剣城くんは暫くしてから目を反らした





…一体何だったんだ……?







疑問を浮かべながら俺は剣城くんから目を反らし、監督の話を聞いた











………それにしても今の顔…、





どこかで見た気がする…………。






.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ