小説(風吹長編)

□過去と双子
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暫く月日は経ち、僕は染岡くんからエースストライカー対決を申し込まれる



結果は染岡くんの勝ち



…というより

僕はシュートを打てなかった




染岡くんの後ろにリスがいて、アツヤ状態だった僕は士郎に戻ってしまったのだ





結果は僕の負けだけど…

まぁリスを守れたから良かったかな





…なんて考えていたら風丸くんに話しかけられた




「いいか、吹雪」



「え?うん…じゃあ散歩でもしながら話そうか」



「あぁ…―円堂!ちょっと吹雪と出掛けてくる!夕食までには帰ってくる」




風丸くんがそう言うとキャプテンは「あぁわかった!」と元気よく返事をする




それを聞き、僕達は白恋を後にした







「…今日の染岡との対決、手を抜いただろ?」



「――…え…?」




「途中で動きが止まったからさ………違うのか?」



「…ううん。でもわざとじゃないよ。」


「そうなのか?じゃあ――…」

「リスがいたんだ」

「リス?」





「染岡くんの後ろにリスがいたの。北海道はよく現れるから気をつけてね」



僕はニコッと笑顔を見せてそう言った


風丸くんは目を見開いて驚いている




「それだけの為にわざと負けたのか…?」


「生き物が死ぬところは見たくないんだ…。いくら動物でも家族を失うのは嫌でしょ…?」




「―――……」






そう…



いくら動物でも僕のようにはなってほしくないんだ…



家族を失う事はとても悲しい事だから……






「……そうだな」




「ねぇ風丸くん…」


「なんだ?」



「……いや…ゴメンね。何にもない…」



「…吹雪…」






一体


何を言おうとしたんだろう








胸の奥にあるモヤモヤ感……







僕は何が言いたかったの……?








『過去と双子』
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